ScanSnap iX500のスキャンの仕上がり具合についてのメモ
私はScanSnap iX500で自炊をもう既に400冊ぐらいしています。白黒(でスキャンしても構わない)書籍が90%、グレーが5%、カラーが5%という内訳でしょうか。
その経験からiX500でのスキャンの仕上がり具合について少し経験がついたのでメモを残しておこうと思います。
白黒スキャンについて
- 1200dpi > 600dpi
1200dpiでのスキャン一択です。600dpiの選択肢はほぼありません。
スキャン速度は、1200dpiで約7秒/枚、600dpiで約2秒/枚といったところでしょうか(他の項目、圧縮・色の濃さ・裏写り軽減・文字くっきり等の項目は速度にほぼ影響なし)。
600dpiでも1200dpiでも文字そのもののスキャン精度に違いはほぼないので、文字オンリーの白黒書籍ならば600dpiでの方が早いといえます。
しかし、白黒書籍にグラフ、表、図、特に写真が入っている場合は明白に違いが出てきます。
1200dpiでなら元画像より少し暗みがかった感じにはなるものの、多くの人にとって恐らく妥協できるであろう程度にそれなりに綺麗にスキャン出来ます。例えば、色分けされた棒グラフの各色分けが一部分からなくなってしまうケースがたまにあります。
しかし、600dpiなら明らかに1200dpiに劣ります。600dpiでのスキャンの速さのメリットが霞んで消えます。例えば色分けされた棒グラフの色分けがほぼ分からなくなってしまいます。
ファイルサイズの観点から見ても1200dpiで何の問題も無い:例えば、ほぼ文字オンリーの経済学の教科書(白黒書籍)304ページで28MB,写真が多数混入の植物学の専門書(白黒書籍)が276ページで72MBです。500ページ弱の大型技術書でも250MB程度。小説サイズなら400ページオーバーでも100MB以下。
圧縮については後述。 - 文字くっきりはオフ一択
文字くっきりをオンにしても文字そのもののスキャンはほぼ変わらない。20倍ほどに拡大してやや違いが分かる程度(ただし、これは白黒スキャンに限った話であることに注意)。
しかし、グラフ、表、図、特に写真に対するスキャンの撮れ具合が文字くっきりオフの方が明確に良い。 - 裏写り軽減はオンでよい
裏写り軽減をオンにすることで薄い紙の裏写りを軽減できるし、本の黄ばみをスキャンに反映させない効果もオフの時より高い…気がする。 - 色の濃さは0が丁度いい(経験的に0で落ち着いた)
殆どの白黒書籍は色の濃さ0で文字も写真等もバランスよくスキャン出来る。文字はハッキリ・くっきりスキャン出来、写真等もそれなりに綺麗にスキャン出来る。
色を濃くすると文字がしっかりしてくるのだが、逆に写真等が暗くなってよくないし、薄くすると写真等が少し見やすくはなるものの文字が薄くかすれてくる。
原本の文字の濃さや写真等の有り無しに応じて濃さ-1~3当たりで調節するのが妥当。 - 白紙ページを自動的に削除する はオフ
オンにしてしまうとページ番号の調整が狂ってしまうからオフ - ファイル形式はPDF一択
白黒画像に加工することはほぼない。
グレー・カラースキャンについて
ファイルサイズはどちらもほぼ同じ、カラーの方が1割ほど大きくなるぐらいでスキャンの撮れ具合に大差はないので原本の色に合わせる。
ファイルサイズはどちらもほぼ同じ、カラーの方が1割ほど大きくなるぐらいでスキャンの撮れ具合に大差はないので原本の色に合わせる。
- 600dpi一択
最高画質に設定してもiX500では(個人的には)完璧に満足のいくものではないので600dpiしかありえない。それでもそれなりにいい具合にはスキャン出来る。
スキャン速度は白黒1200dpiと同一。
グレー、カラーどちらにしてもグラフ、図、表、写真はほぼ原本に近い形でスキャン出来て満足。
しかし、文字が全般的にとても薄くスキャンされてしまう仕様。白黒の色の濃さ-1より薄い。iX500の性能の限界。 - 圧縮率は1の一択
上と同じ理由。
ファイルサイズについては大きくなることは覚悟が居る:600dpi,圧縮率1にして、一例としては教科書サイズ(276ページ)をグレーでスキャンして500MB弱。写真やカラフルな装飾が多数の本(教科書サイズ)500ページで2GBとなることもあります。 - 裏写り軽減は オフ!
オンにしたら更に文字が薄くなってしまうので絶対にオフ!。オフにしてても裏写りはほぼない。 - 文字くっきりは オン!
ただでさえ文字が薄くスキャンされるので絶対にオン!
オンオフどちらでも写真等には殆ど影響なし。 - ファイル形式はPDFでいいかな
こだわり派の人はJPEG出力をして画像編集or原Scan永久保存のように使うだろうが、上記設定ならそれなりにいい具合のスキャンの撮れ具合なのでPDF化でいい。
圧縮について
私はAcrobatでOCRを掛けつつ圧縮をしてます。
白黒書籍ならiX500スキャン時のファイルサイズの40%、グレー・カラー書籍なら25~35%ぐらいに圧縮できます。
圧縮しても目視レベルではまず違いに見分けがつきません。20倍ぐらいに拡大して少しわかる程度。
圧縮の結果、白黒書籍なら殆ど全てが数MB~50MBのサイズへ、グレー・カラー書籍なら100MB~500MB(約1.2~1.5MB/ページ)へと小さく出来ます。