$ \newcommand{\exi}{\exists\,} \newcommand{\all}{\forall} \newcommand{\equ}{\!=\!} \newcommand{\nequ}{\!\neq\!} \newcommand{\amp}{\;\&\;} \renewcommand{\Set}[2]{\left\{\;#1\mathrel{}\middle|\mathrel{}#2\;\right\}} \newcommand{\parenth}[1]{\left(\;#1\;\right)} $

胎児が障害を持っていると分かったのに産む理由が分からない

思った事を書くだけ

出産前に何らかの検査を受ける事で事前に子どもが障害児かどうかが分かるらしい。
それを事実と仮定した上で、昔から何度も思い続けてきてる事なんだが、なんで自分の子どもが障害児なのにわざわざ産もうと思ったのかが、…そういう親が居るのかが…理解できない。

  1. そのまま産んだとしても、生まれた障害児が人生の過程において健常者よりも余分に苦しむ事は明白である。
  2. そのまま産んだとしても、親にとってもその障害児の面倒を見るのにかかる労力が健常者の場合よりも甚大なのは明白である。

それに、一度産んでしまったら「やっぱりこんな障害児は自分には育てられない」と育児放棄は出来ないのだから(赤ちゃんポストみたいな例外はあるかも知れないが)、判断は速いほうがいいと思う。

胎児の段階で障害者と分かったとしても、その胎児の命は存在が始まってからごく数週間~数十週間に過ぎない訳だから、当然命の価値も軽く判断できるし、何よりも仮に堕胎等をしたとしても両親の心理的負担は格段に小さい事は明白である。
これは簡単な思考実験で分かる。5歳6歳の子供を死なせた時の悲しさ・心理的ショックと母胎の健康上の問題等で胎児が死産となった時の悲しさ・心理的ショックを比べた場合どちらがより大きいかと言えば、前者である事は明白である。

だから、自分の子供が障害を持っていると分かったら、勿論障害の程度による事は言うまでも無いが、堕ろしてしまう方が、後々のリスク・不幸を比べた場合に、より合理的であるとしか私には思えない。
たとえ障害を持っているとは言え堕ろしてしまったら悲しいだろうし、母胎への肉体的な意味での負担も当然ある。何よりも「俺は堕ろす(=殺す)事を選んでしまった」という十字架を背負う事が心理的負担にはなるだろう。

でも、そういうのは一時の負の感情にしかすぎず、10年も経てば「そんなことあったなぁ」程度になる事はほぼ間違いない。
それなら、さっさと堕ろして次の健常な胎児を作る事に専念した方がよっぽどマシだと思う。

それでも産むという選択をした親は、そういう負担よりも「殺したくない」という感情論を優先させたか、もしくは、誰でも想像がつくような後々の負担さえも思わないぐらいの、一種の”変わった”心理状態だったのだろう。
考えられるのは、

  1. 「何があっても堕ろさず育てる!」という、宗教的バックグラウンドがありそうな、固い決意・信念
  2. 高齢出産、母胎が弱ってる等の理由で今回産む期を逃すともう自分の子供が得られない

ぐらいか?
1に関しては率直に「頭がおかしい」としか思えない。
2に関しては当人の感情としては分からないでもないが、「お前の『子供欲しい!』欲求で産まされた障害児はたまったもんじゃねぇよ」っていう批判が出来てしまう。もはや(養子を取るなどの選択を取らず)ここまで親のエゴを突き通して障害児を産むなら、育てられなくなったら親に刑事罰があっていいと思う。


…と、まぁ考えを書いてみたが、現実では中絶は沢山あった:平成25年度衛生行政報告例の概況
のpage -9-を見ると、平成25年度の中絶件数の総数が、186,253件とある。
こう言う数字を見ると、結局は人は「障害児なんて自分の子供には要らない」って判断してる現実的な"リアルな"感じが伝わってくる。

結局、メディアを通して聞こえてくる「命を大切に」みたいなセリフは美辞麗句に過ぎず、私の率直な考えが現実を多少は捉えていると確認できただけだ。

一応、前もって弁明しておくと、
人々は「自分の子供に障害児なんて要らない」と思ってる事を論証するには、(自分の子供が障害児だと分かったから堕ろした件数) ÷ (自分の子供が障害児だと分かった件数) の値を得ないといけないんですがね。

${\rm S}_n^m$-定理を自分なりに纏める。

$\newcommand{\godel}[1]{\left\ulcorner#1\right\urcorner}$ $S_n^m$-定理を自分なりに纏める。
$\lambda y_1 \cdots y_m x_1 \cdots x_n \; f(y_1,\cdots,y_m,x_1,\cdots,x_n)$を$(m+n)$-変数の帰納的な部分関数とする。
この関数$f$のゲーデル数を$e$とする。
この時、原始帰納的関数$\lambda z y_1 \cdots y_m \; S_n^m(z,y_1,\cdots,y_m)$が存在して、任意の$y_1,\cdots,y_m$に対し、
$\lambda x_1 \cdots x_n \left[ \{e\}(y_1,\cdots,y_m,x_1,\cdots,y_n) \simeq \{ S_n^m(e,y_1,\cdots,y_m) \}(x_1,\cdots,x_n) \right]$
が成り立つ。
証明
  • $m \equ 0$の場合は、${\rm S}_n^0(z) \equ z$ とすればよい。$m \geq 1$とする。
  • 表記を簡単にするために、$x_1,\cdots,x_n$ を ${\boldsymbol x}$ で表す。
    自然数の列$x_1,\cdots,x_n$にそれぞれ対応する数項の列${\overline x}_1,\cdots,{\overline x}_n$ を ${\overline {\boldsymbol x}}$ で表す。
    $y_1,\cdots,y_m$についても同様である。
  • $\varphi(z,{\boldsymbol y},{\boldsymbol x}) :\equiv {\rm U}(\mu w {\rm T}_{m+n}(z,{\boldsymbol y},{\boldsymbol x},w))$ と置く。
  • $\varphi$は帰納的部分関数、従って、形式的に計算可能なので、方程式系$D$が存在して、任意の$z,{\boldsymbol y},{\boldsymbol x}, v$ に対して、
    $D \vdash g({\overline z},{\overline {\boldsymbol y}}, {\overline {\boldsymbol x}}) \equ {\overline v} \Leftrightarrow \varphi(z, {\boldsymbol y}, {\boldsymbol x}) \equ v$
    が成り立つ。ただし、$g$は$D$の主関数記号である。
  • $h$を$D$に含まれない関数記号とする。
  • $z,{\boldsymbol y}$ に対し、方程式系$E_{z, {\boldsymbol y}}$ を $D, h(a_1,\cdots,a_n) \equ g({\overline z}, {\overline {\boldsymbol y}}, a_1,\cdots,a_n)$ とし、
    $S_n^m(z, {\boldsymbol y}) :\equiv \godel{ E_{z, {\boldsymbol y}} }$ と定義する。
  • $S_n^m(z, {\boldsymbol y}) \equ \godel{D} * 2^{\godel{h(a_1,\cdots,a_n) \equ g({\overline z}, {\overline {\boldsymbol y}}, a_1,\cdots,a_n)}} \equ$
    ${\LARGE \godel{D} * 2^{ 2^{\godel{\equ}} \cdot 3^{\godel{h(a_1,\cdots,a_n)}} \cdot 5^{\godel{g({\overline z}, {\overline {\boldsymbol y}}, a_1,\cdots,a_n)}} }}$
    なので、原始帰納的関数である事が分かる(自然数$k$に対して$\godel{{\overline k}}$を求める関数は原始帰納的である)。
  • ${\boldsymbol y}$ を任意にとって固定しておく。
  • φが形式的に計算可能より、任意の${\boldsymbol x}, v$に対して、
    $E_{e, {\boldsymbol y}} \vdash h({\overline {\boldsymbol x}}) \equ {\overline v} \Leftrightarrow \varphi(e, {\boldsymbol y}, {\boldsymbol x}) \equ v$
    が成り立つ。
  • 従って、定義により、$\lambda {\boldsymbol x} \left[ \; {\rm U}(\mu w {\rm T}_n ( S_n^m(e, {\boldsymbol y}), {\boldsymbol x}, w ) ) \simeq \varphi(e, {\boldsymbol y}, {\boldsymbol x}) \; \right]$ が成り立つ(${\boldsymbol y}$に応じて存在する方程式系が変わるので、$\lambda {\boldsymbol x}$となるのだ)。
  • また、帰納的部分関数$\lambda {\boldsymbol x} {\rm U}(\mu w {\rm T}_n ( S_n^m(e, {\boldsymbol y}), {\boldsymbol x}, w ) )$ のゲーデル数は明らかに ${\rm S}_n^m(e, {\boldsymbol y})$ なので、
    $\lambda {\boldsymbol x} \left[ \; \{ {\rm S}_n^m (e, {\boldsymbol y}) \}({\boldsymbol x}) \simeq {\rm U}(\mu w {\rm T}_n ( S_n^m(e, {\boldsymbol y}), {\boldsymbol x}, w ) ) \; \right]$
    である。
  • そして、$\varphi(z, {\boldsymbol y}, {\boldsymbol x})$ と $e$ の定義より、
    $\lambda \left[ \; \varphi(e, {\boldsymbol y}, {\boldsymbol x} ) \simeq \{e\}({\boldsymbol y}, {\boldsymbol x}) \; \right]$
    である。
  • 以上より、$\lambda {\boldsymbol x} \left[ \; \{ {\rm S}_n^m (e, {\boldsymbol y}) \}({\boldsymbol x}) \simeq \{e\}({\boldsymbol y}, {\boldsymbol x}) \; \right]$ である。
証明終

形式的体系${\cal R}$を算術化する。

形式的体系${\cal R}$を算術化する。 $\newcommand{\godel}[1]{\left\ulcorner#1\right\urcorner}$
  1. ${\cal R}$の基本記号のゲーデル数
    • 定記号のゲーデル数:
      $\godel{{\mathbf 0}} \equ 3、\godel{^\prime} \equ 5、\godel{\equ} \equ 7$
    • 変数および関数記号のゲーデル数:
      $\godel{a_n} \equ 2^9 \cdot 3^n \quad \left( n \equ 0,1,2,\cdots \right)$
      $\godel{f_n} \equ 2^{11} \cdot 3^n \quad \left( n \equ 0,1,2,\cdots \right)$
  2. 補助記号は構成の順序を示すための記号であるが、以下のゲーデル数の対応のさせ方では、補助記号のゲーデル数を定義する必要は無い。 項や方程式、その他に対応させるゲーデル数は、その構成の順序が分かるように定義されるからである。
  3. 項のゲーデル数
    • $t$が(既にゲーデル数が定義されている)項のとき、
      $\godel{(t)^\prime} \equ 2^5 \cdot 3^{\godel{t}}$
    • $t_1,\cdots,t_n$が(既にゲーデル数が定義されている)項で、$f$が関数記号であるとき、
      $\godel{f(t_1,\cdots,t_n)} \equ 2^{\godel{f}} \cdot 3^{\godel{t_1}} \cdot 5^{\godel{t_2}} \cdot \cdots \cdot p_n^{\godel{t_n}}$
  4. 方程式のゲーデル数
    $t_1,t_2$が(既にゲーデル数の定義されている)項のとき、
    $\godel{t_1 \equ t_2} \equ 2^7 \cdot 3^{\godel{t_1}} \cdot 5^{\godel{t_2}}$
  5. 方程式系のゲーデル数
    $e_1,\cdots,e_l$が(既にゲーデル数の定義されている)方程式であるとき、
    $(e_1,\cdots,e_l) \equ 2^{13} \cdot 3^{\godel{e_1}} \cdot \cdots \cdot p_l^{\godel{e_l}}$
  6. (方程式系$E$からの)演繹のゲーデル数
    • $e$を$E$に含まれる方程式とするとき、演繹$D$が$e$自身ならば、
      $\godel{D} \equ 2^{\godel{e}}$
    • $D_1$を$E$からの演繹とし、$D_1$の最下式を$e_1$とするとき、
      演繹$D$が$e_1$から"代入"の推論規則によって$e_2$を得る$\genfrac{}{}{1pt}{0}{D_1}{e_2}$とすれば、
      $\godel{\genfrac{}{}{1pt}{0}{D_1}{e_2}} \equ 2^{\godel{e_2}} \cdot 3^{\godel{D_1}}$
    • $D_1,D_2$を$E$からの演繹、$e_1$を$D_1$の最下式、$e_2$を$D_2$の最下式とするとき、
      演繹$D$が$e_1$と$e_2$から"置換"の推論規則によって$e_3$を得る$\genfrac{}{}{1pt}{0}{D_1 \quad D_2}{e_3}$とすれば、
      $\godel{\genfrac{}{}{1pt}{0}{D_1 \quad D_2}{e_3}} \equ 2^{\godel{e_3}} \cdot 3^{\godel{D_1}} \cdot 5^{\godel{D_2}}$

以上の算術化によって、${\cal R}$を自然数論の中に埋め込んだとき、${\cal R}$における様々な概念および${\cal R}$で展開される議論を、自然数上の関数、述語として定義し、自然数論の中で展開してみよう。

${\rm N}(x)$ $e$を${\cal R}$における表現とし、$\godel{e} \equ x$とするとき、
"$e$は数項である"ことを自然数論の中で表す述語「$\godel{e}$は数項のゲーデル数である」
を意味する。
以下では、上のような場合、
単に、"$e$は数項である"と「$\cdots$ゲーデル数である」の部分は省略した形で述べる
$\equiv$ $x \equ 3 \lor \left( x \equ 2^5 \cdot 3^{(x)_1} \land {\rm N}((x)_1) \right)$
${\rm V}(x)$ 「$x$は変数記号である」 $\equiv$ $x \equ 2^9 \cdot 3^{(x)_1}$
${\rm FL}(x)$ 「$x$は関数記号である」 $\equiv$ $x \equ 2^{11} \cdot 3^{(x)_1}$
${\rm Tm}(x)$ 「$x$は項である」 $\equiv$ $\begin{array}{@{}c@{}l@{}} & x \equ 3 \\ \lor & {\rm V}(x) \\ \lor & \left( {\rm lh}(x) \equ 2 \land (x)_0 \equ 5 \land {\rm Tm}((x)_1) \right) \\ \lor & \left( {\rm lh}(x) \gt 1 \land {\rm FL}((x)_0) \land (\all i)_{0 \lt i \lt {\rm lh}(x)} {\rm Tm}((x)_i) \right) \end{array}$
${\rm Eq}(x)$ 「$x$は方程式である」 $\equiv$ $\left( x \equ 2^7 \cdot 3^{(x)_1} \cdot 5^{(x)_2} \right) \land {\rm Tm}((x)_1) \land {\rm Tm}((x)_2)$
${\rm SE}(x)$ 「$x$は方程式系である」 $\equiv$ ${\rm lh}(x) \gt 1 \land (x)_0 \equ 13 \land (\all i)_{0 \lt i \lt {\rm lh}(x)} {\rm Eq}((x)_i)$
${\rm Sb}(d, e, t, x)$ 「変数記号$x$に項$t$を代入すると、項あるいは方程式である$e$が$d$になる」 $\equiv$ ${\rm V}(x) \land {\rm Tm}(t) \land$
$\left(\begin{array}{@{}c@{}l@{}} & \left( e \equ x \land d \equ t \right) \\ \lor & \left( \left(\begin{array}{@{}c@{}l@{}} & e \equ 3 \\ \lor & \left( {\rm V}(e) \land e \neq x \right) \end{array}\right) \land d \equ e \right) \\ \lor & \left(\begin{array}{@{}c@{}l@{}} & \left( {\rm Tm}(e) \lor {\rm Eq}(e) \right) \\ \land & {\rm lh}(e) \gt 1 \\ \land & {\rm lh}(e) \equ {\rm lh}(d) \\ \land & (d)_0 \equ (e)_0 \\ \land & (\all i)_{0 \lt i \lt {\rm lh}(e)} {\rm Sb}\left((d)_i, (e)_i, t, x\right) \end{array}\right) \end{array}\right)$
${\rm Ct}(e,x)$ 「項あるいは方程式である$e$が、変数記号$x$を含む」 $\equiv$ $\left( {\rm Tm}(e) \lor {\rm Eq}(e) \right) \land {\rm V}(x) \land \neg {\rm Sb}(e,e,3,x)$
${\rm SC}_n(e,d)$ 「方程式$e$は、方程式$d$から"代入"の推論規則によって得られる」 $\equiv$ ${\rm Eq}(d) \land (\exi x)_{x \lt d} (\exi n)_{n \lt e} \; \left( {\rm N}(n) \land {\rm Ct}(d,x) \land {\rm Sb}(e,d,n,x) \right)$
${\rm RC}_n (e,d,c)$ 「方程式$e$は、方程式$d$と$c$から"置換"の推論規則によって得られる」 $\equiv$ $\begin{array}{@{}c@{}l@{}} & {\rm Eq}(c) \land {\rm FL}((c)_{1,0} \land (\all i)_{0 \lt i \lt {\rm lh}((c)_1)} {\rm N}((c)_{1,i}) \land {\rm N}((c)_2) \\ \land & {\rm Eq}(d) \land (\all x)_{x \lt d} \neg {\rm Ct}(d,x) \land {\rm Eq}(e) \\ \land & (\exi u)_{u \lt d} \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & {\rm Tm}(u) \land {\rm Ct}(u, 2^9 \cdot 3) \\ \land & {\rm Sb}((d)_2, u, (c)_1, 2^9 \cdot 3) \\ \land & {\rm Sb}((e)_2, u, (c)_2, 2^9 \cdot 3) \end{array}\right) \end{array}$
※変数記号$a_1$のゲーデル数$\godel{a_1} \equ 2^9 \cdot 3$は、
いかなる関数記号$f_n$のゲーデル数$\godel{f_n} \equ 2^{11} \cdot 3^n$より小さく、
従って、$u \lt d$であるような$u$が取れる事に注意。
${\rm Nu}(z,n)$ 「$z$は自然数$n$に対応する数項である」 $\equiv$ $\left( z \equ 3 \land n \equ 0 \right) \lor \left( z \equ 2^5 \cdot 3^{(z)_1} \land n \neq 0 \land {\rm Nu}((z)_1, n \dot{-} 1) \right)$
${\rm D}(z,y)$ 「$y$は方程式系$z$からの演繹である」 $\equiv$ ${\rm SE}(z) \land \\ \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & (\exi i)_{0 \lt i \lt {\rm lh}(z)} \left( y \equ 2^{(z)_i} \right) \\ \lor & \left( y \equ 2^{(y)_0} \cdot 3^{(y)_1} \land {\rm SC}_n ((y)_0, (y)_{1,0}) \land {\rm D}(z, (y)_1) \right) \\ \lor & \left( \begin{array}{@{}l@{}} y \equ 2^{(y)_0} \cdot 3^{(y)_1} \cdot 5^{(y)_2} \land {\rm RC}_n ((y)_0, (y)_{1,0}, (y)_{2,0}) \\ \land {\rm D}(z, (y)_1) \land {\rm D}(z, (y)_2) \end{array} \right) \end{array} \right)$
${\rm S}_n (z,x_1,\cdots,x_n,y)$ 「$z$を方程式系、その主関数記号を$f$とする。
$\overline{x}_1,\cdots,\overline{x}_n$をそれぞれ自然数$x_1,\cdots,x_n$に対応する数項、$\overline{x}$も数項とする。
また、$y$は方程式系$z$からの演繹で、$y$の最下式は、$f({\overline x}_1,\cdots,{\overline x}_n) \equ {\overline x} $の形をしている」
$\equiv$ $\begin{array}{@{}c@{}l@{}} & {\rm D}(z,y) \land {\rm lh}((y)_{0,1}) \equ n+1 \\ \land & {\rm FL}((y)_{0,1,0}) \land (y)_{0,1,0} \equ (z)_{{\rm lh}(z) \dot{-} 1, 1, 0} \\ \land & \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & {\rm Nu}((y)_{0,1,1}, x_1) \\ \land & \vdots \\ \land & {\rm Nu}((y)_{0,1,n}, x_n) \\ \land & {\rm N}((y)_{0,2}) \end{array} \right) \end{array}$

$Z$を方程式系としたとき、${\rm S}_n (\godel{Z},x_1,\cdots,x_n,y)$は、

$Z \vdash f(\overline{x}_1,\cdots,\overline{x}_n) \equ \overline{x}$

つまり、$f({\overline x}_1,\cdots,{\overline x}_n) \equ {\overline x}$が$Z$から演繹可能である事を表している。

$\psi_i$は$m_i$変数の関数$(i \equ 1,\cdots,l)$とする。

${\rm D}^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z,y)$ 「$y$は方程式系$z$と$\psi_1,\cdots,\psi_l$に対する関数表からの演繹である」 $\equiv$ ${\rm SE}(z) \land \\ \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & (\exi i)_{0 \lt i \lt {\rm lh}(z)} \; ( y \equ 2^{(z)_i} ) \\ \lor & \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & y \equ 2^{(y)_0} \land {\rm Eq}((y)_0) \land {\rm FL}((y)_{0,1,0}) \\ \land & \bigvee\limits_{i=1}^l \left( \begin{array}{@{}l@{}} (\exi w_{i,1})_{w_{i,1} \lt y} \; \cdots (\exi w_{i,m_i})_{w_{i,m_i} \lt y} ( \\ \begin{array}{@{}c@{}c@{}l@{}} & & (y)_{0,1} \equ 2^{(y)_{0,1,0}} \cdot 3^{(y)_{0,1,1}} \cdot \cdots \cdot p_{m_i}^{(y)_{0,1,m_i}} \\ & \land & {\rm Nu}((y)_{0,1,1}, w_{i,1}) \\ & \land & \vdots \\ & \land & {\rm Nu}((y)_{0,1,m_i}, w_{i,m_i}) \\ & \land & {\rm Nu}((y)_{0,2}, \psi_i (w_{i,1},w_{i,2},\cdots,w_{i,m_i}) ) \\ \end{array} \\ ) \end{array} \right) \end{array} \right) \\ \lor & \left( y \equ 2^{(y)_0} \cdot 3^{(y)_1} \land {\rm SC}_n ((y)_0, (y)_{1,0}) \land {\rm D}^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z, (y)_1) \right) \\ \lor & \left( \begin{array}{@{}l@{}} y \equ 2^{(y)_0} \cdot 3^{(y)_1} \cdot 5^{(y)_2} \land {\rm RC}_n ((y)_0, (y)_{1,0}, (y)_{2,0}) \\ \land {\rm D}^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z, (y)_1) \land {\rm D}^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z, (y)_2) \end{array} \right) \end{array} \right)$
$S_n^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z,x_1,\cdots,x_n,y)$ 「$y$は方程式系$z$と$\psi_1,\cdots,\psi_l$に対する関数表からの演繹で、
$y$の最下式は$f({\overline x}_1,\cdots,{\overline x}_n) \equ {\overline x}$の形をしている。
ただし、$f$は$z$の主関数記号、
${\overline x}_1,\cdots,{\overline x}_n$は、それぞれ自然数$x_1,\cdots,x_n$に対応する数項、${\overline x}$も数項である」
$\equiv$ $\begin{array}{@{}c@{}l@{}} & {\rm D}^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z,y) \land {\rm lh}((y)_{0,1}) \equ n+1 \\ \land & {\rm FL}((y)_{0,1,0}) \land (y)_{0,1,0} \equ (z)_{{\rm lh}(z) \dot{-}1,1,0} \\ \land & \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & {\rm Nu}((y)_{0,1,1}, x_1) \\ \land & \vdots \\ \land & {\rm Nu}((y)_{0,1,n}, x_n) \\ \land & {\rm N}((y)_{0,2}) \end{array} \right) \end{array}$
${\rm D}^{m_1,\cdots,m_l}(v_1,\cdots,v_l,z,y)$ $\equiv$ ${\rm SE}(z) \land \\ \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & (\exi i)_{0 \lt i \lt {\rm lh}(z)} \; ( y \equ 2^{(z)_i} ) \\ \lor & \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & y \equ 2^{(y)_0} \land {\rm Eq}((y)_0) \land {\rm FL}((y)_{0,1,0}) \\ \land & \bigvee\limits_{i=1}^l \left( \begin{array}{@{}l@{}} (\exi w_{i,1})_{w_{i,1} \lt y} \; \cdots (\exi w_{i,m_i})_{w_{i,m_i} \lt y} ( \\ \begin{array}{@{}c@{}c@{}l@{}} & & (y)_{0,1} \equ 2^{(y)_{0,1,0}} \cdot 3^{(y)_{0,1,1}} \cdot \cdots \cdot p_{m_i}^{(y)_{0,1,m_i}} \\ & \land & {\rm Nu}((y)_{0,1,1}, w_{i,1}) \\ & \land & \vdots \\ & \land & {\rm Nu}((y)_{0,1,m_i}, w_{i,m_i}) \\ & \land & {\rm Nu}((y)_{0,2}, \textcolor{red}{(v_i)_{w_{i,1},w_{i,2},\cdots,w_{i,m_i}}} ) \\ \end{array} \\ ) \end{array} \right) \end{array} \right) \\ \lor & \left( \begin{array}{@{}l@{}} y \equ 2^{(y)_0} \cdot 3^{(y)_1} \land {\rm SC}_n ((y)_0, (y)_{1,0}) \\ \land \; \textcolor{red}{{\rm D}^{m_1,\cdots,m_l}(v_1,\cdots,v_l,z,(y)_1)} \end{array} \right) \\ \lor & \left( \begin{array}{@{}l@{}} y \equ 2^{(y)_0} \cdot 3^{(y)_1} \cdot 5^{(y)_2} \land {\rm RC}_n ((y)_0, (y)_{1,0}, (y)_{2,0}) \\ \land \; \textcolor{red}{{\rm D}^{m_1,\cdots,m_l}(v_1,\cdots,v_l,z,(y)_1)} \\ \land \; \textcolor{red}{{\rm D}^{m_1,\cdots,m_l}(v_1,\cdots,v_l,z,(y)_2)} \end{array} \right) \end{array} \right)$
${\rm S}_n^{m_1,\cdots,m_l}(v_1,\cdots,v_l,z,x_1,\cdots,x_n,y)$ $\equiv$ $\begin{array}{@{}c@{}l@{}} & {\rm D}^{m_1,\cdots,m_l}(v_1,\cdots,v_l,z,y) \land {\rm lh}((y)_{0,1}) \equ n+1 \\ \land & {\rm FL}((y)_{0,1,0}) \land (y)_{0,1,0} \equ (z)_{{\rm lh}(z) \dot{-}1,1,0} \\ \land & \left( \begin{array}{@{}c@{}l@{}} & {\rm Nu}((y)_{0,1,1}, x_1) \\ \land & \vdots \\ \land & {\rm Nu}((y)_{0,1,n}, x_n) \\ \land & {\rm N}((y)_{0,2}) \end{array} \right) \end{array}$

表記の都合上

$\prod\limits_{i \lt n} p_i \; {\rm exp} \; a_i :\equiv \prod\limits_{i \lt n} p_i^{a_i}$

と置く。

原始帰納的関数$\varphi(x_1,\cdots,x_n)$に対して、原始帰納的関数${\tilde \varphi}(x_1,\cdots,x_n)$を

${\tilde \varphi}(x_1,\cdots,x_n) \equ \prod\limits_{i_1 \lt x_1} p_{i_1} {\rm exp}( \cdots ( \prod\limits_{i_n \lt x_n} p_{i_n} {\rm exp} \; \varphi(i_1,\cdots,i_n) ) \cdots )$

で定義する。この定義から明らかに、$a_i \lt x_i \; (i \equ 1,\cdots,n)$ に対して、

$\varphi(a_1,\cdots,a_n) \equ ( {\tilde \varphi}(x_1,\cdots,x_n) )_{a_1,\cdots,a_n}$

が成り立つ。

${\rm S}_n^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z,x_1,\cdots,x_n,y)$は、$(n+2)$変数の述語であり、$\psi_1,\cdots,\psi_l$で原始帰納的であるのに対し、
${\rm S}_n^{m_1,\cdots,m_l}(v_1,\cdots,v_l,z,x_1,\cdots,x_n,y)$は、$(l+n+2)$変数の原始帰納的述語である。

${\rm S}_n^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z,x_1,\cdots,x_n,y)$は、無限集合である関数表$E_{g_1,\cdots,g_l}^{\psi_1,\cdots,\psi_l}$によって定められているのに対し、
${\rm S}_n^{m_1,\cdots,m_l}({\tilde \psi}_1(v,\cdots,v),\cdots,{\tilde \psi}_l(v,\cdots,v),z,x_1,\cdots,x_n,y)$は、有限の表${\tilde \psi}_1(v,\cdots,v),\cdots,{\tilde \psi}_l(v,\cdots,v)$で定義されている事に注意。

関数$\psi_i$は$m_i$変数の関数$(i \equ 1,\cdots,l)$とする。
${\rm T}_n(z,x_1,\cdots,x_n,y)$ $:\equiv$
${\rm S}_n(z,x_1,\cdots,x_n,y)$
$\land \all t \lt y \; \neg {\rm S}_n(z,x_1,\cdots,x_n,t)$
${\rm T}_n^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z,x_1,\cdots,x_n,y)$ $:\equiv$
${\rm S}_n^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z,x_1,\cdots,x_n,y)$
$\land \all t \lt y \; \neg {\rm S}_n^{\psi_1,\cdots,\psi_l}(z,x_1,\cdots,x_n,t)$
${\rm T}_n^{m_1,\cdots,m_l}({\tilde \psi}_1(y,\cdots,y),\cdots,{\tilde \psi}_l(y,\cdots,y),z,x_1,\cdots,x_n,y)$ $:\equiv$
${\rm S}_n^{m_1,\cdots,m_l}({\tilde \psi}_1(y,\cdots,y),\cdots,{\tilde \psi}_l(y,\cdots,y),z,x_1,\cdots,x_n,y)$
$\land \all t \lt y \; \neg {\rm S}_n^{m_1,\cdots,m_l}({\tilde \psi}_1(t,\cdots,t),\cdots,{\tilde \psi}_l(t,\cdots,t),z,x_1,\cdots,x_n,t)$

形式的体系${\cal R}$を定義する

今週のお題「最近おいしかったもの」}

形式的体系${\cal R}$を定義する。 (参考文献:廣瀬健、「帰納的関数」、75ページ~81ページ)
  1. ${\cal R}$の基本記号
    • 定記号:
      • 対象記号として、${\mathbf 0}$
      • (特定の)関数記号として、$^\prime$
      • 述語記号として、$\equ$
      • 補助記号として、$($、$)$、$,$
    • 変数および関数記号:
      • 変数を表す記号として、$a,a_|,a_{||},a_{|||},a_{||||},\cdots$
      • 関数を表す記号として、$f,f_|,f_{||},f_{|||},f_{||||},\cdots$
      • 以後、
        $a,a_|,a_{||},a_{|||},a_{||||},\cdots$をそれぞれ
        $a,a_1,a_{2},a_{3},a_{4},\cdots$と書き、
        $f,f_|,f_{||},f_{|||},f_{||||},\cdots$をそれぞれ
        $f,f_1,f_{2},f_{3},f_{4},\cdots$と書く事にする。
      • $^\prime$も関数記号なのであるが、これは、予め定められた特殊な関数記号であるから、 単に関数記号という場合は、このリストの内の1つを指すものとする。
      • 以後、見やすくするために、 変数記号として、$x,y,z,\cdots$、関数記号として、$g,h,\cdots$等の文字を用いる事がある。
  2. ${\cal R}$における項(term)
    1. 対象記号${\mathbf 0}$は項である。
    2. 変数記号$a_i$は項である$\left(i \equ 0, 1, 2, \cdots\right)$。
    3. $t$が項であるとき、$(t)^\prime$は項である。
    4. $f$が関数記号で、$t_1,t_2,\cdots,t_n$がいづれも項のとき、$f(t_1,t_2,\cdots,t_2)$は項である。
    5. 以上によって定義されるもののみが項である。
    6. 補助記号$(,)$を用いなくても項の構成の順序が明瞭な場合には適当に省略する。
    7. ${\mathbf 0}, {\mathbf 0}^\prime, {\mathbf 0}^{\prime\prime}, {\mathbf 0}^{\prime\prime\prime}, \cdots$ を数項(numeral)と呼ぶ。以後、これをそれぞれ、
      $0,1,2,3,\cdots$、あるいは、$\bar{0},\bar{1},\bar{2},\bar{3},\cdots$と書く事にする。
  3. 方程式(equation)
    $t_1,t_2$が項の時、
    $t_1 \equ t_2$
    を方程式という。$t_1$をこの方程式の左辺、$t_2$をこの方程式の右辺という。
  4. 方程式系(system of equations)
    方程式$e_0,e_1,\cdots,e_l$による有限列$(e_0,e_1,\cdots,e_l)$を方程式系という。
    以後、記述を簡単にするため、方程式系$(e_0,e_1,\cdots,e_l)$とは、$e_l$の左辺の一番左が必ず関数記号であるものと約束する。
  5. 推論規則(rules of inference)
    $e$を方程式、$a$を変数、$n$を数項とする。
    $e$の中に変数$a$が現れていれば、その全ての$a$を$n$で置き換えて得られる方程式を、
    ${\rm Sub}(e; a, n)$
    と書き表す。
    $t$を項、$f$を関数記号とし、$n_1,n_2,\cdots,n_r, n$を数項とする。
    $t$の中に$f(n_1,n_2,\cdots,n_r)$が含まれていれば、その全てを$n$で置き換えて得られる項を、
    ${\rm Rep}(t; f(n_1,n_2,\cdots,n_r),n)$
    と書き表す。
    • $e$を方程式、$a$を$e$に含まれる変数、$n$を数項とする。
      $e$

      ${\rm Sub}(e; a, n)$
      は推論規則である。このとき、「$e$から推論規則によって${\rm Sub}(e; a, n)$が得られる」という。
      以下、この推論規則を"代入(substitution)"と呼ぶ。
    • $n_1,n_2,\cdots,n_r,n$を数項、$f$を関数記号とし、 $s \equ t$は変数を含まない方程式で、右辺$t$が$f(n_1,n_2,\cdots,n_r)$を含むものとする。
      $s \equ t$ $f(n_1,n_2,\cdots,n_r) \equ n$

      $s \equ {\rm Rep}(t; f(n_1,n_2,\cdots,n_r),n)$
      は推論規則である。 このとき、「$s \equ t$と$f(n_1,n_2,\cdots,n_r) \equ n$から、推論規則によって$s \equ {\rm Rep}(t; f(n_1,n_2,\cdots,n_r),n)$が得られる」という。
      以下、この推論規則を"置換(replacement)"と呼ぶ。
  6. 演繹(deduction)
    方程式のある集合を$E$とする(有限とは限らない)。ここで定義されるものは、正確には、「$E$からの演繹(deduction from $E$)」である。
    1. $e$を$E$に含まれる方程式とするとき、
      $e$
      は、$E$からの演繹である。 この時、$e$はこの演繹の最下式であるという。
    2. $D$を$E$からの演繹とし、$D$の最下式を$e_1$とするとき、$e_1$から"代入"の推論規則によって$e_2$が得られるならば、
      $D$

      $e_2$
      は、$E$からの演繹である。このとき、$e_2$はこの演繹の最下式であるという。
    3. $D_1,D_2$を$E$からの演繹とし、$D_1$の最下式を$e_1$、$D_2$の最下式を$e_2$とする。 $e_1$と$e_2$から、"置換"の推論規則によって、$e_3$が得られるならば、
      $D_1$ $D_2$

      $e_3$
      は、$E$からの演繹である。このとき、$e_3$はこの演繹の最下式であるという。
    4. 以上によって定められるもののみが、$E$からの演繹である。
  7. 関数表(given functions)
    変数を含まない方程式の集合を、関数表という。
    自然数上で定義された関数$\psi_1,\cdots,\psi_m$が与えられているものとする。
    $g_1,\cdots,g_m$を$\psi_1,\cdots,\psi_m$に対応する${\cal R}$での関数記号として用いるものとする。
    $E_{g_1,\cdots,g_m}^{\psi_1,\cdots,\psi_m} :\equiv \bigcup\limits_{i \equ 1}^m \Set{ g_i({\overline n}_1,\cdots,{\overline n}_{l_i}) \equ {\overline n} } { \psi_i(n_1,\cdots,n_{l_i}) \equ n \; ( n_1,\cdots,n_{l_i}, n は自然数 ) }$
    を$\psi_1,\cdots,\psi_m$に対する関数表と呼ぶ。
    ただし、${\overline n}_1,\cdots,{\overline n}_{l_i}, {\overline n}$は、それぞれ自然数$n_1,\cdots,n_{l_i}, n$に対応する数項である。
  8. 主関数記号(principal function letter)
    $E$を方程式系$(e_0,e_1,\cdots,e_l)$とする。
    $e_l$の左辺の一番左の記号(約束によって、関数記号)を、主関数記号という。
    $E$の中で、方程式の右辺には現れるが左辺に現れない関数記号を、(関数表で)与えられた関数記号(given function letter)と呼ぶ。
    $E$の中で、方程式の右辺にも左辺にも現れる主関数記号以外の関数記号を、補助関数記号(auxiliary function letter)と呼ぶ。
  9. 演繹可能な方程式
    $E$を方程式系、$E_{g_1,\cdots,g_m}^{\psi_1,\cdots,\psi_m}$を関数表とする。
    $E \cup E_{g_1,\cdots,g_m}^{\psi_1,\cdots,\psi_m}$からの演繹の最下式となるような方程式$f({\overline n}_1,\cdots,{\overline n}_r) \equ {\overline n}$を、 $E$と$E_{g_1,\cdots,g_m}^{\psi_1,\cdots,\psi_m}$から演繹可能(deducible from $E, E_{g_1,\cdots,g_m}^{\psi_1,\cdots,\psi_m}$)な方程式と呼び、
    $E_{g_1,\cdots,g_m}^{\psi_1,\cdots,\psi_m}, E \vdash f({\overline n}_1,\cdots,{\overline n}_r) \equ {\overline n}$
    と書く。
    $E_{g_1,\cdots,g_m}^{\psi_1,\cdots,\psi_m}$が空のときは、もちろん、単に
    $E \vdash f({\overline n}_1,\cdots,{\overline n}_r) \equ {\overline n}$
    と書くわけである。
以上によって、形式的体系${\cal R}$は定められた。
  • 部分関数$\varphi(z_1,\cdots,z_n)$が形式的に計算可能(formally calculable)であるとは、
    $\varphi$に対して、ある方程式系$E$が存在して、任意の自然数$z_1,\cdots,z_n,z$と、それに対応する数項${\overline z}_1,\cdots,{\overline z}_n,{\overline z}$について、
    $E \vdash f({\overline z}_1,\cdots,{\overline z}_n) \equ {\overline z} \Leftrightarrow \varphi(z_1,\cdots,z_n) \equ z$
    が成り立つときをいう。ただし、$f$は$E$の主関数記号とする。
  • 部分関数$\varphi(z_1,\cdots,z_n)$が関数$\varphi_1,\cdots,\varphi_m$から形式的に計算可能(formally calculable from $\varphi_1,\cdots,\varphi_m$)であるとは、
    $\varphi$に対して、ある方程式系$E$が存在して、任意の自然数$z_1,\cdots,z_n,z$と、それに対応する数項${\overline z}_1,\cdots,{\overline z}_n,{\overline z}$について、
    $E_{g_1,\cdots,g_m}^{\psi_1,\cdots,\psi_m}, E \vdash f({\overline z}_1,\cdots,{\overline z}_n) \equ {\overline z} \Leftrightarrow \varphi(z_1,\cdots,z_n) \equ z$
    が成り立つときをいう。ただし、$f$は$E$の主関数記号とする。
この定義における方程式系$E$を、「関数$\varphi$を形式的に定義する方程式系」と呼ぶ。
また、$E$が満たす条件の内、$\Rightarrow$が成り立つ事を、$E$の無矛盾性と呼び、$\Leftarrow$が成り立つ事を、$E$の完全性という。

Zornの補題

Zornの補題を証明する。
まずは用語の定義から。
$\left( X, \leq \right)$ を順序集合とする。
$c \in X, T \subset X$ とする。
$c$ は、$T$のupper bound(上界) $:\Leftrightarrow$ $\all a \in T \; a \leq c$
$T$ は、totally ordered(全順序) $:\Leftrightarrow$ $\all a, b \in T \; a \leq b \lor a \geq b$

${\rm TotOrd}\left( X \right) :\equiv \Set{ T \subset X }{ T {\rm は全順序} }$

$c \in S \subset X$ とする。
$c$ は、$S$のmaximal element(極大元) $:\Leftrightarrow \all a \in S \; \parenth{ c \leq a \Rightarrow c \equ a }$

$S \subset X$ とする。
$S$ は、inductive(帰納的) $:\Leftrightarrow \all T \in {\rm TotOrd}\left( S \right) \exi c \in S \; c {\rm は} T {\rm の上界}$

Zornの補題
$\left( X, \leq \right)$ は順序集合とする。
$\all S \subset X \; \parenth{ S{\rm は帰納的} \Rightarrow \all p \in S \; p \!\leq\! \exi c \in S \; c {\rm は} S {\rm の極大元} }$ が成り立つ。
  • $p \in S$ を任意に取る。
  • ${\frak X} :\equiv \Set{ T \in {\rm TotOrd}\left( S \right) }{ p \in T }$ ( $\neq$ 明らかに、$\left\{ p \right\} \in {\frak X}$ である。 $\phi$)と置く。
  • $F : {\frak X} \rightarrow {\frak P}\left( S \right), T \mapsto \Set{ c \in S \backslash T }{ c {\rm は} T {\rm の上界} }$ と置く。
  • $\phi \in F\left( {\frak X} \right) \Rightarrow p \leq \exi c \in S \; c {\rm は} S {\rm の極大元}$
    • 仮定 $\phi \in F\left( {\frak X} \right)$ により、$\exi T \in {\frak X} \; F(T) \equ \phi$ が成り立つ。
    • $S$は帰納的であり、かつ、$T \in {\rm TotOrd}\left( S \right)$なので、$\exi c \in T \; c {\rm は} T {\rm の上界}$。
    • $p \in T$なので、$p \leq c$である。
    • $c$は$S$の極大元である。
      • $c \leq a \in S$ なる $a$を任意に取る。
      • 上界cと $c \leq a$ により、 $a {\rm は} T {\rm の上界}$。
      • $a \not\in \phi$ $\equ$ F(T)=φより。 $F\left( T \right)$ もあわせることにより、$a \not\in S \backslash T$ つまり、$a \in T$。
      • 上界cより、$a \leq c$ である。よって、$c \equ a$ となる。
    • よって、空集合を含むならば定理成立が成り立つ。
  • $\phi \in F\left( {\frak X} \right)$
    • [背理法] $\phi \not\in F\left( {\frak X} \right)$ つまり、 $\all T \in {\frak X} \; F\left( T \right) \neq \phi$ を仮定する。
    • [背理法]の仮定と選択公理により、$\exi \left( c_T \right)_{T \in {\frak X}} \in \prod\limits_{T \in {\frak X}} \; F\left( T \right)$ が成り立つ。
    • $G:{\frak X} \rightarrow {\frak X}, T \mapsto T$ $\coprod$ $c_T \not\in T$なので$\cup$ではなく$\coprod$を使える。 $\left\{ c_T \right\}$ が定義できる。
      • $T \in {\frak X}$ を任意に取る。
      • $p \in T \subset T \coprod \left\{ c_T \right\} \subset S$ である。
      • $T \in {\rm TotOrd}\left( S \right)$ かつ $c_T {\rm は} T {\rm の上界}$ なので、 $T \coprod \left\{ c_T \right\} \in {\rm TotOrd\left( S \right)}$ である。
    • ${\mathbb X} :\equiv \Set{ {\cal S} \subset {\frak X} }{ \begin{array}{@{}c@{}l@{}} ({\rm i})& \left\{ p \right\} \in {\cal S} \\ ({\rm ii})& \all T \in {\cal S} \; G\left( T \right) \in {\cal S} \\ ({\rm iii})& \phi \neq \all {\cal T} \in {\rm TotOrd}\left( {\cal S} \right) \; \bigcup {\cal T} \in {\cal S} \end{array} }$ と置く。
      ($\left( {\frak X}, \subset \right)$ を順序集合として考えている。)
    • ${\frak X} \in {\mathbb X}$ である(つまり、${\mathbb X} \neq \phi$ である)。
      • ${\rm (i)}$$\left\{ p \right\} \in {\frak X}$ である事は、${\frak X}$ の定義から明らか。
      • ${\rm (ii)}$$\all T \in {\frak X} \; G\left( T \right) \in {\frak X}$ の成立は既に示した。
      • ${\rm (iii)}$$\phi \neq {\cal T} \in {\rm TotOrd}\left( {\frak X} \right)$ を任意に取る($\bigcup {\cal T} \in {\frak X}$ を示す)。
      • ${\cal T} \subset {\frak X}$ と ${\frak X}$ の定義より、$\all T \in {\cal T} \; p \in T \subset S$ である。
      • 従って、${\cal T} \neq \phi$ より、$p \in \bigcup {\cal T} \subset S$ である。
      • $\bigcup {\cal T} \in {\rm TotOrd}\left( S \right)$ が成り立つ。
        • $a_1, a_2 \in \bigcup {\cal T}$ を任意に取る。
          $a_i \in T_i \in {\cal T} \; \left( i \in \{1, 2\} \right)$ とする。
        • $T_1, T_2 \in {\cal T} \in {\rm TotOrd}\left( {\frak X} \right)$ なので、 $T_1 \subset T_2 \lor T_1 \supset T_2$ である。
        • どちらでも同様なので、$T_1 \subset T_2$ とする。
        • $a_1, a_2 \in T_2 \in {\cal T} \subset$ ${\frak X} \subset {\rm TotOrd}\left( S \right)$ なので、 $a_1 \leq a_2 \lor a_1 \geq a_2$ が成り立つ。
      • よって、$\bigcup {\cal T} \in {\frak X}$ である。
    • ${\cal R} :\equiv \bigcap {\mathbb X} \; \left( \subset {\frak X} \right)$ と置く。
    • ${\cal R} \in {\mathbb X}$ である。
      • ${\rm (i)}$ $\all {\cal S} \in {\mathbb X} \; \{p\} \in {\cal S}$ なので、 $\{p\} \in \bigcap {\mathbb X} \equ {\cal R}$ である。
      • ${\rm (ii)}$ $T \in {\cal R}$ を任意に取る。
      • 任意の ${\cal S} \in {\mathbb X}$ に対して、$T \in {\cal R} \equ \bigcap {\mathbb X} \subset {\cal S}$ により $G(T) \in {\cal S}$ となる。
      • よって、$G(T) \in \bigcap {\mathbb X} \equ {\cal R}$ である。
      • ${\rm (iii)}$ $\phi \neq {\cal T} \in {\rm TotOrd}\left( {\cal R} \right)$ を任意に取る。
      • 任意の ${\cal S} \in {\mathbb X}$ に対して、 $\phi \neq {\cal T} \subset {\cal R} \equ \bigcap {\mathbb X} \subset {\cal S}$ により $\bigcup {\cal T} \in {\cal S}$ となる。
      • よって、$\bigcup {\cal T} \in \bigcap {\mathbb X} \equ {\cal R}$ となる。
    • ${\cal R} \in {\rm TotOrd}\left( {\cal R} \right)$ (つまり、${\cal R}$は全順序)である。
      • ここの証明が、本証明で一番長いです。
      • $H : {\cal R} \rightarrow {\frak P}\left( {\cal R} \right), T \mapsto \Set{ U \in {\cal R} }{ T \subset U \lor T \supset U }$ と置く。
      • ${\cal R}^\prime :\equiv \Set{ T \in {\cal R} }{ H(T) \equ {\cal R} }$ と置く。
      • ${\cal R}^\prime \in {\rm TotOrd}\left( {\cal R} \right)$ が成り立つ。
        • $T_1, T_2 \in {\cal R}^\prime$ を任意に取る。
        • $T_1 \in {\cal R}^\prime \subset {\cal R}$ $\equ$ $T_2 \in {\cal R}^\prime$ $H(T_2)$ である。 よって $H$の定義 、 $T_1 \subset T_2 \lor T_1 \supset T_2$ である。
      • ${\cal R}^\prime \equ {\cal R}$ が成り立つ。
        • $\subset$ は明らか。
        • $\supset$
          ${\cal R}^\prime \in {\mathbb X}$ が成り立つ。
          • ${\rm (i)}$ $\{p\} \in {\cal R}$ である事は既に知っている。つまり、$\{p\}$は$H$の定義域に属する。
          • $H\left(\left\{ p \right\}\right) \equ {\cal R}$ が成り立つ。
            • $\subset$ $H\left(\left\{ p \right\}\right) \subset {\cal R}$ は$H$の定義から明らか。
            • $\supset$ $U \in {\cal R}$ を任意に取る。
            • $U \in {\cal R} \subset {\frak X}$ $\rightarrow$ ${\frak X}$の定義 $p \in U \rightarrow \{p\} \subset U \rightarrow U \in H\left(\left\{ p \right\}\right)$ となる。
          • よって、$\{p\} \in {\cal R}^\prime$ である。
          • ${\rm (iii)}$ $\phi \neq {\cal T} \in {\rm TotOrd}\left( {\cal R}^\prime \right)$ を任意に取る。
          • まず、$\phi \neq {\cal T} \subset {\cal R}^\prime \subset {\cal R}$ なので、 RはXの要素${\rm (iii)}$より、$\bigcup {\cal T} \in {\cal R}$ である。
          • $H\left(\bigcup {\cal T} \right) \equ {\cal R}$ が成り立つ。
            • $\subset$ $H\left( \bigcup {\cal T} \right) \subset {\cal R}$ は$H$の定義から明らか。
            • $\supset$ $U \in {\cal R}$ を任意に取る。
            • $\begin{array}{@{}l@{}r@{}l@{}l@{}l@{}l@{}} (一)& \exi T \in {\cal T} \; U \subset T & \Rightarrow & U \subset & \bigcup {\cal T} & \\ (二)& \all T \in {\cal T} \; U \not\subset T & \Rightarrow & & \bigcup {\cal T} & \subset U \end{array}$ が成り立つ。
              • (一)$U \subset T \subset \bigcup {\cal T}$ である。
              • (二)$T \in {\cal T}$ を任意に取る。
              • $U \in {\cal R}$ $\equ$ $T \in {\cal T} \subset {\cal R}^\prime$ $H\left( T \right)$ なので、 $T \subset U \lor T \supset U$ である。
              • 従って、(二)の仮定により、$T \subset U$ である。
              • よって、$\bigcup {\cal T} \subset U$ である。
            • 従って、 排中律 $\exi T \in {\cal T} \; U \subset T$ または
              $\all T \in {\cal T} \; U \not\subset T$ である。
              により、 $U \subset \bigcup {\cal T} \lor U \supset \bigcup {\cal T}$ である。
            • よって、$U \in H\left( \bigcup {\cal T} \right)$ である。
          • よって、$\bigcup {\cal T} \in {\cal R}^\prime$ である。
          • ${\rm (ii)}$$T \in {\cal R}^\prime$ を任意に取る。
          • まず、$T \in {\cal R}^\prime \subset {\cal R}$ なので、 RはXの要素${\rm (ii)}$より、$G\left( T \right) \in {\cal R}$ である。
          • $H\left( G\left( T \right) \right) \equ {\cal R}$ が成り立つ。
            • $\subset$ $H\left( G\left( T \right) \right) \subset {\cal R}$ は$H$の定義から明らか。
            • $\supset$
              $H\left( G\left( T \right) \right) \in {\mathbb X}$ が成り立つ。
              • ${\rm (i)}$ まず、RはXの要素より、$\{p\} \in {\cal R}$ である。
              • $T \in {\cal R}^\prime \subset {\cal R} \subset {\frak X}$ なので、${\frak X}$ の定義より、$p \in T$ である。
              • 従って、$\{p\} \subset T \subset T \coprod \{ c_T \} \equ G\left(T\right)$ である。
              • よって、$\{p\} \in H\left(G\left(T\right)\right)$ である。
              • ${\rm (iii)}$ $\phi \neq {\cal T} \in {\rm TotOrd}\left( H\left( G\left( T \right) \right) \right)$ を任意に取る。
              • まず、$\phi \neq {\cal T} \subset H\left( G\left( T \right) \right) \subset {\cal R}$ なので、 RはXの要素より、$\bigcup {\cal T} \in {\cal R}$ である。
              • $\begin{array}{@{}l@{}r@{}l@{}l@{}l@{}l@{}} (一)& \exi T^\prime \in {\cal T} \; G\left(T\right) \subset T^\prime & \Rightarrow & G\left(T\right) \subset & \bigcup {\cal T} & \\ (二)& \all T^\prime \in {\cal T} \; G\left(T\right) \not\subset T^\prime & \Rightarrow & & \bigcup {\cal T} & \subset G\left(T\right) \end{array}$ が成り立つ。
                • (一) $G\left(T\right) \subset T^\prime \subset \bigcup {\cal T}$ である。
                • (二) $T^\prime \in {\cal T}$ を任意に取る。
                • $T^\prime \in {\cal T} \subset H\left( G\left( T \right) \right)$ だから、 $T^\prime \subset G\left(T\right) \lor T^\prime \supset G\left(T\right)$ である。
                • 従って、(二)の仮定により、$T^\prime \subset G\left(T\right)$ である。
                • よって、$\bigcup {\cal T} \subset G\left(T\right)$ である。
              • 従って、 排中律 $\exi T^\prime \in {\cal T} \; G\left(T\right) \subset T^\prime$ または、
                $\all T^\prime \in {\cal T} \; G\left(T\right) \not\subset T^\prime$ である。
                により、$G(T) \subset \bigcup {\cal T} \lor G(T) \supset \bigcup {\cal T}$ である。
              • よって、$\bigcup {\cal T} \in H\left( G\left( T \right) \right)$ である。
              • ${\rm (ii)}$ $U \in H\left( G\left( T \right) \right)$ を任意に取る($G\left(U\right) \in H\left( G\left( T \right) \right)$ を示す)。
              • $U \in H\left( G\left( T \right) \right) \subset {\cal R}$ だから、 RはXの要素より、$G\left(U\right) \in {\cal R}$ である。
              • $G(U) \subset T \lor G(T) \subset U$ の場合:
                • どちらでも同様なので、$G(U) \subset T$ とする。
                • $G(U) \subset T \subset T \coprod \{c_T\} \equ G(T)$ だから、 $G(U) \in H\left( G\left( T \right) \right)$ となる。
              • $G(U) \not\subset T \land G(T) \not\subset U$ の場合:
                • $U \in H\left( G\left( T \right) \right)$ だから、 $U \subset G(T) \lor U \supset G(T)$ である。
                • 場合分けの仮定$G(T) \not\subset U$ より、$U \subset G(T)$ である。
                • $G(U) \in {\cal R}$ $\equ$ 仮定$T \in {\cal R}^\prime$ $H(T)$ だから、 $G(U) \subset T \lor G(U) \supset T$ となる。
                • 場合分けの仮定$G(U) \not\subset T$ より、$G(U) \supset T$ である。
                • $T \subset U$ の場合:
                  • $T \subset U$ $\subset$ U⊆G(T) $G(T) \equ T \coprod \{ c_T \}$ だから、 $T \equ U \lor U \equ G(T)$ である。
                  • $T \equ U$ の場合:
                    • $G(U) \equ G(T)$ $\in$ $H$の定義から自明に成立。 $H\left( G\left( T \right) \right)$ である。
                  • $U \equ G(T)$ の場合:
                    • $G(T) \equ U \subset G(U)$ だから、 $G(U) \in H\left( G\left( T \right) \right)$ である。
                • $T \not\subset U$ の場合:
                  • $U \subset T \cup U$ $\subset$ G(U)⊇T $G(U) \cup U \equ G(U)$ だから、 $U \equ T \cup U \lor T \cup U \equ G(U)$ である。
                  • 従って、$G(U)$ $\equ$ 場合分けの仮定 $T \not\subset U$ $T \cup U$ $\subset$ U⊆G(T) $T \cup G(T) \equ G(T)$ である。
                  • よって、$G(U) \in H\left( G\left( T \right) \right)$ である。
                • よって、いづれにしても、$G(U) \in H\left( G\left( T \right) \right)$ である。
              • よって、いづれにしても、$G(U) \in H\left( G\left( T \right) \right)$ である。
            • よって、$H\left( G\left( T \right) \right) \supset \bigcap {\mathbb X} \equ {\cal R}$ である。
          • よって、$G(T) \in {\cal R}^\prime$ である。
        • よって、${\cal R}^\prime \supset \bigcap {\mathbb X} \equ {\cal R}$ である。
      • よって、${\cal R} \equ {\cal R}^\prime \in {\rm TotOrd}\left( {\cal R} \right)$ である。
    • $R :\equiv \bigcup {\cal R} \; \left( \subset S \right)$ と置く。
    • $R \equ \bigcup {\cal R}$ $\in$ RはXの要素,Rは全順序,${\mathbb X}$の条件${\rm (iii)}$ ${\cal R}$ だから、RはXの要素,${\mathbb X}$の条件${\rm (ii)}$より、$G(R) \in {\cal R}$ である。
    • 従って、$G(R) \subset \bigcup {\cal R} \equ R$ である。
    • しかし、$R \subsetneq R \coprod \{ c_R \}$ $\equ$ $G$の定義 $G(R)$ であるので、これらは矛盾している。
    • よって、背理法により、$\phi \in F\left( {\frak X} \right)$ である。
  • よって、空集合を含むならば定理成立,空集合を含むより、 $p \leq \exi c \in S \; c {\rm は} S {\rm の極大元}$ である。
証明終

復習:開集合系の基底、直積位相、基本近傍系

開集合系の基底について復習する。
$\left( X, {\cal O}_X \right)$ を位相空間とする。
${\cal U} \subset {\cal O}_X$ とする。
${\cal U}$は${\cal O}_X$の基底である $:\Leftrightarrow$ ${\cal O}_X \equ \Set{ \bigcup {\cal V} }{ {\cal V} \subset {\cal U} }$
  $\Leftrightarrow$ $\all U \in {\cal O}_X \exi {\cal V} \subset {\cal U} \; U \equ \bigcup {\cal V}$
  $\Leftrightarrow$ $\all x \in X \, x \in \all U \in {\cal O}_X \, x \in \exi V \in {\cal U} \; V \subset U$
${\cal U}$が${\cal O}_X$の基底である時、 任意の$x \in X$に対し、$\Set{ U \in {\cal U} }{ x \in U }$は、$x$の基本近傍系である。

生成される位相について復習する。
$X$を集合とする。
${\cal U} \subset {\frak P}\left( X \right) とする。$
${\cal U}$ によって生成される $X$ の位相を
${\cal O} \left({\cal U} \right) :\equiv \bigcap \Set{ {\cal O} \subset {\frak P}\left( X \right) }{ {\cal U} \subset {\cal O} {\rm は} X {\rm の位相である。}}$
によって定義する。
明らかに、以下の2命題が成り立つ:
  • ${\cal U} \subset {\cal O} \left( {\cal U} \right)$ かつ ${\cal O} \left( {\cal U} \right)$は $X$ の位相である。
  • $\all {\cal O} \subset {\frak P} \left( X \right) \; \parenth{ {\cal U} \subset {\cal O} {\rm は} X {\rm の位相} \Rightarrow {\cal O} \left( {\cal U} \right) \subset {\cal O} }$ が成り立つ。

${\cal O} \left( {\cal U} \right)$ を具体的に表すとこうなる:
${\cal O} \left( {\cal U} \right) \equ \Set{ \bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F} } \bigcap {\cal V} }{ {\frak F} \subset {\rm Fin}\left( {\cal U} \right) }$
  • ${\cal O} :\equiv \Set{ \bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F} } \bigcap {\cal V} }{ {\frak F} \subset {\rm Fin}\left( {\cal U} \right) }$ と置く。
  • まず、${\cal O}$ が$X$の位相であることを確認する。
  • ${\frak F} \equ \{ \phi \}$ とすることにより、 $X \equ \bigcap \phi \in {\cal O}$ である。
  • $\left( {\frak F}_i \subset {\rm Fin} \left( {\cal U} \right) \right)_{i \in I}$ とする。 ($\phi \in {\cal O}$ の確認は $I \equ \phi$ の場合として含まれている。)
  • $\bigcup\limits_{i \in I} \parenth{ \bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F}_i } \bigcap V } \equ$ $\bigcup\limits_{ {\cal V} \in \bigcup_{i \in I} {\frak F}_i } \bigcap {\cal V}$ $\in$ $\bigcup\limits_{i \in I} {\frak F}_i \subset {\rm Fin}\left( {\cal U} \right)$ である。 ${\cal O}$ である。
  • $\bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F}_i } \bigcap {\cal V} \in {\cal O} \left( i \equ 1,2 \right)$ を取る。
  • $\parenth{ \bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F}_1 } \bigcap {\cal V} } \cap \parenth{ \bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F}_2 } \bigcap {\cal V} } \equ$ $\bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F}_1 \biguplus {\frak F}_2} \bigcap {\cal V}$ $\in$ ${\frak F}_1 \biguplus {\frak F}_2 \subset {\rm Fin}\left( {\cal U} \right)$ ${\cal O}$
    ただし、一般に、集合$X_1,X_2$に対して、 $X_1 \biguplus X_2 :\equiv \Set{ a \cup b }{ a \in X_1 {\rm かつ} b \in X_2 }$ と定義する。
  • よって、${\cal O}$は$X$の位相である。
  • また、$U \in {\cal U}$に対して、$U \equ \bigcup\limits_{ {\cal V} \in \{ \{ U \} \} } \bigcap {\cal V} \in {\cal O}$ なので、 ${\cal U} \subset {\cal O}$ である。
  • 以上より、${\cal O}\left( {\cal U} \right) \subset {\cal O}$ を得る。
  • 逆に、$\bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F} } \bigcap {\cal V} \in {\cal O}$ を任意に取る。
  • $\all {\cal V} \in {\frak F} \; \bigcap {\cal V}$ $\in$ ${\cal O}\left( {\cal U} \right)$ は位相であり、かつ、
    ${\cal V}$ は ${\cal U}$ の、従って ${\cal O}\left( {\cal U} \right)$ の有限部分集合である。
    ${\cal O}\left( {\cal U} \right)$ が成り立つ。 よって、$\bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F} } \bigcap {\cal V} \in {\cal O}\left( {\cal U} \right)$ である。
    つまり、${\cal O} \subset {\cal O}\left( {\cal U} \right)$ 。
ただし、一般に、集合$X$に対して、${\rm Fin}\left( X \right) :\equiv \Set{ F \in {\frak P}\left(X\right) }{ F {\rm は有限集合である。} }$ と定義する。
従って、$\Set{ \bigcap {\cal V} }{ {\cal V} \in {\rm Fin}\left( {\cal U} \right) }$ は ${\cal O}\left( {\cal U} \right)$ の 基底である $\bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F} } \bigcap {\cal V} \in {\cal O}\left( {\cal U} \right)$ に対し、
$\Set{ \bigcap {\cal V} }{ {\cal V} \in {\frak F} } \subset \Set{ \bigcap {\cal V} }{ {\cal V} \in {\rm Fin}\left( {\cal U} \right) }$ かつ
$ \bigcup\limits_{ {\cal V} \in {\frak F} } \bigcap {\cal V} \equ \bigcup \Set{ \bigcap {\cal V} }{ {\cal V} \in {\frak F} }$ である。

直積空間について復習する。
$\parenth{ \left( X_i, {\cal O}_{X_i} \right) }_{i \in I}$ を、$I$を添え字集合とする位相空間の列とする。
$j \in I$ に対し、 $pr_j : \prod\limits_{i \in I} X_i \rightarrow X_j$ を第$j$射影とする。
$X :\equiv \prod\limits_{i \in I} X_i$ の位相を、
${\cal O}_X :\equiv {\cal O}\left( \bigcup\limits_{i \in I} \Set{ pr_i^{-1}\left( U \right) }{ U \in {\cal O}_{X_i} } \right)$
によって定義する。
$\bigcup\limits_{J \in {\rm Fin}\left( I \right)} \Set{ \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1} \left( U_j \right) } { \all j \in J \; U_j \in {\cal O}_{X_j} }$ は、${\cal O}_X$ の基底である。
  • $\bigcup\limits_{i \in I} \Set{ pr_i^{-1}\left( U \right) }{ U \in {\cal O}_{X_i} }$ から有限個の元を選び、それらの共通部分を取る際に、
    ある$i$に対して、$U,V \in {\cal O}_{X_i}$と取っている可能性があるが、その時は
    $pr_i^{-1}\left(U\right) \cap pr_i^{-1}\left(V\right) \equ pr_i^{-1}\left( U \cap V \right)$ かつ $U \cap V \in {\cal O}_{X_i}$ なので、
    ${\cal O}_{X_i}$から取るのは高々1個と考えて良い。
この集合を書き換えることにより、
$\Set{ \prod\limits_{ i \in I } U_i }{ \all i \in I \; U_i \in {\cal O}_{X_i} {\rm かつ} \Set{ i \in I }{ U_i \subsetneq X_i } {\rm は有限集合} }$ は、${\cal O}_X$ の基底である。

$x \equ \left( x_i \right)_{i \in I} \in \prod\limits_{i \in I} X_i$ とする。
$\bigcup\limits_{ J \in {\rm Fin}\left( I \right) } \Set{ \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1} \left( V_j \right) } { \all j \in J \; V_j \in {\mathbb V}_{X_j}\left( x_j \right) }$ は、$x$の基本近傍系である。
ただし、${\mathbb V}_{X_j}\left( x_j \right)$ は $X_j$ の点 $x_j$ の近傍系である。
  • $x \in \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1} \left( U_j \right) \Leftrightarrow \all j \in J \; x_j \in U_j$ なので、
    $\bigcup\limits_{ J \in {\rm Fin}\left( I \right) } \Set{ \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1} \left( U_j \right) } { \all j \in J \; x_j \in U_j \in {\cal O}_{X_j} }$ は、$x$の基本(開)近傍系である。
  • $\bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1}\left( V_j \right)$ を任意に取る。
  • $j \in J$に対し、 $U_j \in {\cal O}_{X_j}$ が存在し $x_j \in U_j \subset V_j$ となる。
  • $x \in \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1}\left( U_j \right) \subset \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1}\left( V_j \right)$ が成り立つ。
  • よって、$\bigcup\limits_{ J \in {\rm Fin}\left( I \right) } \Set{ \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1} \left( V_j \right) } { \all j \in J \; V_j \in {\mathbb V}_{X_j}\left( x_j \right) }$ は、$x$の近傍系である。
  • $V \in {\mathbb V}_X \left( x \right)$ を任意に取る。
  • $\bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1}\left( U_j \right)$ が存在し、 $x \in \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1}\left( U_j \right) \subset V$ となる。

Tychonoffの定理

まず、本定理の証明に必要な命題を述べておく。
$\left( X, {\cal O}_X \right)$ を位相空間とする。
$A \subset X$, $x \in X$ とする。
この時、$x \in \overline{A} \Leftrightarrow \all V \in {\mathbb V} \left(x\right) \;\; A \cap V \nequ \phi$ が成り立つ。
ただし、${\mathbb V} \left(x\right)$ は、$x$ の近傍系である。

$\left( \left(X_i, {\cal O}_{X_i}\right) \right)_{i \in I}$ を、$I$を添え字集合とする位相空間の列とする。
$j \in I$ に対し、 $pr_j : \prod\limits_{i \in I} X_i \rightarrow X_j$ を第$j$射影とする。
$x \equ \left(x_i\right)_{i \in I} \in \prod\limits_{i \in I} X_i$ とする。
この時、 $\bigcup\limits_{J \subset I, J は有限集合} \Set{ \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1} \left( V_j \right) } { \all j \in J \;\; V_j \in {\mathbb V}_{X_j} \left(x_j\right) }$ は、$x$ の基本近傍系である。
ただし、${\mathbb V}_{X_j} \left(x_j\right)$ は、位相空間$\left(X_j, {\cal O}_{X_j}\right)$ の $x_j$ の近傍系である。

Tychonoffの定理
$\left( \left(X_i, {\cal O}_{X_i}\right) \right)_{i \in I}$ を、$I$を添え字集合とする位相空間の列とする。
$\all i \in I \;\; X_i \hbox{がCompact} \Rightarrow \prod\limits_{i \in I} X_i \hbox{はCompact}$ である。
[証明]
  • 有限交叉性に関する議論によって証明する。
  • ${\frak X} :\equiv \Set{ {\scr A} \subset {\frak P}\left( \prod\limits_{i \in I} X_i \right) }{ \scr{A} \hbox{は有限交叉性を持つ} }$ と置く。
  • $\all {\scr A} \in {\frak X} \;\; \bigcap\limits_{A \in {\scr A}} \bar{A} \nequ \phi$ を示せば良い。
  • $\scr{A} \in \frak{X}$ を任意に取る。
  • 「有限交叉性を持つ」は有限的性質なので、Zornの補題により、 ${\scr A} \subset \exi {\scr A}_0 \in {\frak X} \;\; {\scr A}_0 \hbox{は} {\frak X} \hbox{の極大元}$ が成り立つ。
  • $\bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \bar{A} \subset \bigcap\limits_{A \in {\scr A}} \bar{A}$ なので、 $\bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \bar{A} \nequ \phi$ を示せば良い。
  • まず、${\scr A}_0$ の極大性により、次の2命題が成り立つことを確認しておく:
    $\all \hbox{有限部分集合} {\scr A}_0^\prime \subset {\scr A}_0 \;\; \bigcap {\scr A}_0^\prime \in {\scr A}_0$ が成り立つ。
    • ${\scr A}_0^\prime \subset {\scr A}_0$ を任意に取り、有限部分集合であると仮定する。
    • ${\scr A}_0$ が有限交叉性を持つので、${\scr A}_0^\prime$ の取り方から、当然 ${\scr A}_0 \cup \left\{ \bigcap {\scr A}_0^\prime \right\}$ も有限交叉性を持つ。
    • ${\scr A}_0 \subset {\scr A}_0 \cup \left\{ \bigcap {\scr A}_0^\prime \right\}$ であるが、 ${\scr A}_0$ は ${\frak X}$ の極大元だから、 ${\scr A}_0 \equ {\scr A}_0 \cup \left\{ \bigcap {\scr A}_0^\prime \right\}$ が成り立つ。
    • よって、 $\bigcap {\scr A}_0^\prime \in {\scr A}_0$
    $\all S \in {\frak P}\left( \prod\limits_{i \in I} X_i \right) \;\; \left[ \; \left( \all A \in {\scr A}_0 \;\; A \cap S \nequ \phi \right) \Rightarrow S \in {\scr A}_0 \right]$ が成り立つ。
    • $S \in {\frak P}\left( \prod\limits_{i \in I} X_i \right)$ を任意に取り、 $\all A \in {\scr A}_0 \;\; A \cap S \nequ \phi$ を仮定する。
    • 上と同様の議論なので、 ${\scr A}_0 \cup \left\{ S \right\}$ が有限交叉性を持つことを示せば良い。
    • ${\scr A}_0^\prime \subset {\scr A}_0$ を任意に取り、有限部分集合であると仮定する。
    • 先ほど確認した命題から、 $\bigcap {\scr A}_0^\prime \in {\scr A}_0$ なので、ここでの仮定により、 $\left( \bigcap {\scr A}_0^\prime \right) \cap S \nequ \phi$ が成り立つ。
    • よって、 ${\scr A}_0 \cup \left\{ S \right\}$ は有限交叉性を持つ。
  • $i \in I$ に対し、 $pr_i : \prod\limits_{j \in I} X_j \rightarrow X_i$ を第$i$射影とする。
  • $\prod\limits_{i \in I}\left( \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \overline{pr_i\left(A\right)} \right) \nequ \phi$ が成り立つ。
    • $i \in I$ を任意に取る。
    • ${\scr A}_0$ が有限交叉性を持つので、 $\Set{pr_i\left(A\right)}{A \in {\scr A}_0} \left( \subset {\frak P}\left( X_i \right) \right)$ は有限交叉性を持つ。
    • 従って、 $X_i$ がCompactである仮定により、 $\bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \overline{pr_i\left(A\right)} \nequ \phi$ が成り立つ。
    • よって、選択公理により、 $\prod\limits_{i \in I}\left( \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \overline{pr_i\left(A\right)} \right) \nequ \phi$ が成り立つ。
  • $\prod\limits_{i \in I}\left( \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \overline{pr_i\left(A\right)} \right) \subset \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \bar{A}$ が成り立つ。
    • $x \equ \left( x_i \right)_{i \in I} \in \prod\limits_{i \in I} \left( \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \overline{pr_i\left(A\right)} \right)$ を任意に取る。
      $A \in {\scr A}_0$ を任意に取る。
    • $x \in \bar{A}$ を示すために、下準備した同値命題を用いる。
    • $J \subset I$ を任意に取り、有限部分集合であると仮定する。
      $\left( V_j \right)_{j \in J}$ を任意に取り、 $\all j \in J \;\; V_j \in {\mathbb V}_{X_j} \left( x_j \right)$ を満たすと仮定する。
    • $\all j \in J \;\; pr_j^{-1}\left( V_j \right) \in {\scr A}_0$ が成り立つ。
      • $j \in J$ を任意に取る。
      • $B \in {\scr A}_0$ を任意に取る。
      • $x_j \in \bigcap\limits_{A^\prime \in {\scr A}_0} \overline{pr_j\left(A^\prime\right)} \subset \overline{pr_j\left(B\right)}$ なので、 $pr_j\left(B\right) \cap V_j \nequ \phi$ が成り立つ。
      • 従って、 $\phi \nequ B \cap pr_j^{-1}\left( V_j \right)$
      • $B \in {\scr A}_0$ は任意なので、 $pr_j^{-1}\left( V_j \right) \in {\scr A}_0$ が成り立つ。
    • 従って、 $\bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1}\left( V_j \right) \in {\scr A}_0$ である。
    • よって、 $\left\{ A, \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1}\left( V_j \right) \right\} \subset {\scr A}_0$ であるが、
      ${\scr A}_0$ は有限交叉性を持つから、 $A \cap \bigcap\limits_{j \in J} pr_j^{-1}\left( V_j \right) \nequ \phi$ である。
    • よって、$J \subset I$ は任意の有限部分集合だから、下準備した同値命題により、 $x \in \bar{A}$ である。
    • $A \in {\scr A}_0$ は任意なので、 $x \in \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \bar{A}$ が成り立つ。
    • よって、 $\prod\limits_{i \in I}\left( \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \overline{pr_i\left(A\right)} \right) \subset \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \bar{A}$ である。
  • よって、 $\phi \nequ$ $\prod\limits_{i \in I}\left( \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \overline{pr_i\left(A\right)} \right) \subset \bigcap\limits_{A \in {\scr A}_0} \overline{A} \subset \bigcap\limits_{A \in {\scr A}} \overline{A}$ が成り立ち、定理の成立が証明された。
証明終

CompactかつHausdorffならば正規

位相空間$\left( X,{\mathcal O}_X \right)$を考える。
$X$がCompactかつHausdorffならばNormal(正規)である。
[証明]

$\newcommand{\calD}{{\mathcal D}}$ $\newcommand{\scrA}{{\mathscr A}}$ $X$がHausdorffならば$T_0$であることは既知なので、以下で$T_4$であることを証明する。
${\mathcal C}_X \ni A, B$ が $A \cap B \equ \phi$ を満たすとする(${\mathcal C}_X$ は $X$の閉集合全体のなす集合である)。
$\scrA :\equiv \left\{ \calD \subset {\mathcal C}_X | \calD \mbox{は有限集合} かつ \left(\bigcap \calD \right)^\circ \nequ \phi かつ B \cap \left(\bigcap \calD \right) \equ \phi \right\}$ と置く。

$A \subset \bigcup\limits_{\calD \in \scrA} \left(\bigcap \calD \right)^\circ$ が成り立つ。

$a \in A$ を任意に取る。
$\calD_a :\equiv \left\{ D \in {\mathcal C}_X | a \in D^\circ \right\}$ と置く。

$B \cap \left( \bigcap \calD_a \right) \equ \phi$ が成り立つ。

$b \in B$ を任意に取る。
$A \cap B \equ \phi$ だから $a \neq b$ 。Hausdorffの仮定から、 $a \in \exi U \in {\mathcal O}_X \; b \in \exi V \in {\mathcal O}_X \quad U \cap V \equ \phi$ 。
$a \in U \subset X \backslash V$ だから $a \in \left( X \backslash V \right)^\circ$ が言え、 $X \backslash V \in \calD_a$ となる。
$b \notin X \backslash V$ も合わせると $b \notin \bigcap \calD_a$ である。
よって、$B \cap \left( \bigcap \calD_a \right) \equ \phi$ が成り立つ。
(注意:実は、一般に、 $X$がHausdorffであることと、
$\all x \in X \;\; \bigcap\limits_{D \in {\mathcal C}_X, x \in D^\circ} D \equ \{ x \}$ であることは同値である。)

ところで、$X$がCompactという仮定により、閉集合$B$はCompactである。
従って 一般に位相空間$\left( X, {\mathcal O}_X \right)$に対して、
$A (\subset X)$がCompactであることは、
$\all {\mathcal F} \subset {\mathcal C}_X \left[\: A \cap \left( \bigcap {\mathcal F} \right) \equ \phi \Rightarrow \exi {\mathcal F}_0 \subset {\mathcal F} \;\; {\mathcal F}_0 \mbox{は有限集合} かつ A \cap \left( \bigcap {\mathcal F}_0 \right) \equ \phi \:\right]$
が成り立つことと同値である。
、上記より、 $\exi \calD_0 \subset \calD_a \;\; \calD_0 \mbox{は有限集合} かつ B \cap \left( \bigcap \calD_0 \right) \equ \phi$ が言える。
また、 $a$ $\in$ $\calD_0 \subset \calD_a$ と $\calD_a$ の定義から。 $\bigcap\limits_{D \in \calD_0} D^\circ$ $\equ$ $\calD_0$ が有限集合であることから。 $\left( \bigcap \calD_0 \right)^\circ$ も成り立つので、 $\calD_0 \in \scrA$ が言える。
よって、 $a \in \bigcup\limits_{\calD \in \scrA} \left(\bigcap \calD \right)^\circ$ である。

ところで、$X$がCompactという仮定により、閉集合$A$はCompactである。
従って、上記より、 $\exi {\mathscr A}_0 \subset \scrA \;\; \scrA_0 \hbox{は有限集合} かつ A \subset \bigcup\limits_{\calD \in \scrA} \left(\bigcap \calD \right)^\circ$ が言える。
$U :\equiv \bigcup\limits_{\calD \in \scrA_0} \left(\bigcap \calD \right)^\circ$ , $V :\equiv X \backslash \bigcup\limits_{\calD \in \scrA_0} \left(\bigcap \calD \right)$ と置く。
明らかに、 $A \subset U \in {\mathcal O}_X$ である。
$B \cap \bigcup\limits_{\calD \in \scrA_0} \left(\bigcap \calD \right) \equ$ $\bigcup\limits_{\calD \in \scrA_0} B \cap \left( \bigcap \calD \right)$ $\equ$ $\scrA_0 \subset \scrA$ と $\scrA$ の定義から。 $\phi$ だから $B \subset X \backslash \bigcup\limits_{\calD \in \scrA_0} \left(\bigcap \calD \right) \equ V$ $\in$ $\scrA_0$ が有限集合であることから。 ${\mathcal O}_X$
最後に、 $U \cap V \equ \phi$ であることは定義から明らかである。
証明終

ScanSnap iX500のスキャンの仕上がり具合についてのメモ

私はScanSnap iX500で自炊をもう既に400冊ぐらいしています。白黒(でスキャンしても構わない)書籍が90%、グレーが5%、カラーが5%という内訳でしょうか。
その経験からiX500でのスキャンの仕上がり具合について少し経験がついたのでメモを残しておこうと思います。

白黒スキャンについて
  • 1200dpi > 600dpi
    1200dpiでのスキャン一択です。600dpiの選択肢はほぼありません。
    スキャン速度は、1200dpiで約7秒/枚、600dpiで約2秒/枚といったところでしょうか(他の項目、圧縮・色の濃さ・裏写り軽減・文字くっきり等の項目は速度にほぼ影響なし)。
    600dpiでも1200dpiでも文字そのもののスキャン精度に違いはほぼないので、文字オンリーの白黒書籍ならば600dpiでの方が早いといえます。
    しかし、白黒書籍にグラフ、表、図、特に写真が入っている場合は明白に違いが出てきます。
    1200dpiでなら元画像より少し暗みがかった感じにはなるものの、多くの人にとって恐らく妥協できるであろう程度にそれなりに綺麗にスキャン出来ます。例えば、色分けされた棒グラフの各色分けが一部分からなくなってしまうケースがたまにあります。
    しかし、600dpiなら明らかに1200dpiに劣ります。600dpiでのスキャンの速さのメリットが霞んで消えます。例えば色分けされた棒グラフの色分けがほぼ分からなくなってしまいます。
    ファイルサイズの観点から見ても1200dpiで何の問題も無い:例えば、ほぼ文字オンリーの経済学の教科書(白黒書籍)304ページで28MB,写真が多数混入の植物学の専門書(白黒書籍)が276ページで72MBです。500ページ弱の大型技術書でも250MB程度。小説サイズなら400ページオーバーでも100MB以下。
    圧縮については後述。
  • 文字くっきりはオフ一択
    文字くっきりをオンにしても文字そのもののスキャンはほぼ変わらない。20倍ほどに拡大してやや違いが分かる程度(ただし、これは白黒スキャンに限った話であることに注意)。
    しかし、グラフ、表、図、特に写真に対するスキャンの撮れ具合が文字くっきりオフの方が明確に良い。
  • 裏写り軽減はオンでよい
    裏写り軽減をオンにすることで薄い紙の裏写りを軽減できるし、本の黄ばみをスキャンに反映させない効果もオフの時より高い…気がする。
  • 色の濃さは0が丁度いい(経験的に0で落ち着いた)
    殆どの白黒書籍は色の濃さ0で文字も写真等もバランスよくスキャン出来る。文字はハッキリ・くっきりスキャン出来、写真等もそれなりに綺麗にスキャン出来る。
    色を濃くすると文字がしっかりしてくるのだが、逆に写真等が暗くなってよくないし、薄くすると写真等が少し見やすくはなるものの文字が薄くかすれてくる。
    原本の文字の濃さや写真等の有り無しに応じて濃さ-1~3当たりで調節するのが妥当。
  • 白紙ページを自動的に削除する はオフ
    オンにしてしまうとページ番号の調整が狂ってしまうからオフ
  • ファイル形式はPDF一択
    白黒画像に加工することはほぼない。
グレー・カラースキャンについて
ファイルサイズはどちらもほぼ同じ、カラーの方が1割ほど大きくなるぐらいでスキャンの撮れ具合に大差はないので原本の色に合わせる。
  • 600dpi一択
    最高画質に設定してもiX500では(個人的には)完璧に満足のいくものではないので600dpiしかありえない。それでもそれなりにいい具合にはスキャン出来る。
    スキャン速度は白黒1200dpiと同一。
    グレー、カラーどちらにしてもグラフ、図、表、写真はほぼ原本に近い形でスキャン出来て満足。
    しかし、文字が全般的にとても薄くスキャンされてしまう仕様。白黒の色の濃さ-1より薄い。iX500の性能の限界。
  • 圧縮率は1の一択
    上と同じ理由。
    ファイルサイズについては大きくなることは覚悟が居る:600dpi,圧縮率1にして、一例としては教科書サイズ(276ページ)をグレーでスキャンして500MB弱。写真やカラフルな装飾が多数の本(教科書サイズ)500ページで2GBとなることもあります。
  • 裏写り軽減は オフ!
    オンにしたら更に文字が薄くなってしまうので絶対にオフ!。オフにしてても裏写りはほぼない。
  • 文字くっきりは オン!
    ただでさえ文字が薄くスキャンされるので絶対にオン!
    オンオフどちらでも写真等には殆ど影響なし。
  • ファイル形式はPDFでいいかな
    こだわり派の人はJPEG出力をして画像編集or原Scan永久保存のように使うだろうが、上記設定ならそれなりにいい具合のスキャンの撮れ具合なのでPDF化でいい。

圧縮について
私はAcrobatでOCRを掛けつつ圧縮をしてます。
白黒書籍ならiX500スキャン時のファイルサイズの40%、グレー・カラー書籍なら25~35%ぐらいに圧縮できます。
圧縮しても目視レベルではまず違いに見分けがつきません。20倍ぐらいに拡大して少しわかる程度。
圧縮の結果、白黒書籍なら殆ど全てが数MB~50MBのサイズへ、グレー・カラー書籍なら100MB~500MB(約1.2~1.5MB/ページ)へと小さく出来ます。

安井邦夫、「現代論理学」、現代思想社 の分からない所メモ 第2弾

p188の$\fbox{15}$が分からない!

$\fbox{15}$ S(x,t,u):「(x)$_0$は、表現(x)$_1$において、変項uの自由な表れすべてに項tを代入するとき、そこに得られる表現である。」
S(x,t,u)は次の関係で定義される。

\begin{array}{ll} {VE(u) \amp TM(t) \amp} \{ \\ \quad [(x)_1 \equ u \amp (x)_0 \equ t ] \quad \lor & (1) \\ \quad [(\exi y)_{ y \lt (x)_1}((x)_1 \neq u \amp (x)_1 \equ 2^y \amp (x)_0 \equ (x)_1)] \quad \lor & (2) \\ \quad (\exi z)_{z \lt (x)_1} (\exi y)_{y \lt (x)_1} [ FM(y) \amp (x)_1 \equ 2^{13} * u * y * z \amp & (3.1) \\ \quad \quad (\exi r)_{r \lt (x)_0} ( (x)_0 \equ 2^{13} * u * y * r \amp S(2^r 3^z, t, u) ) \quad \lor & (3.2) \\ \quad [ \neg (\exi z)_{z \lt (x)_1} (\exi y)_{y \lt (x)_1} ( FM(y) \amp (x)_1 \equ 2^{13} * u * y * z ) \amp & (4.1) \\ \quad \quad (\exi p)_{p \lt (x)_0} (\exi r)_{r \lt (x)_0} (\exi y)_{y \lt (x)_1} ( 1 \lt y \amp (x)_1 \equ 2^{((x)_1)_0} * y \amp & (4.2) \\ \quad \quad (x)_0 \equ p * r \amp S(2^p 3^{2^{((x)_1)_0}}, t, u) \amp S(2^r 3^y, t, u) ) ] & (4.3) \\ \} \end{array}

※本来はテキストの表記に従うならば、これらの記号はゴシック体で書かなければならないが、$\TeX$の記述上イタリック体のままにしています。

この数論的関係が求めるべき関係になっていることの理解が難しい…。
(x)$_1$が操作を施す前の表現、(x)$_0$が操作を施した後の表現であり、従って両者$p_0^{\alpha(b_1)}p_1^{\alpha(b_2)} \cdots p_{m-1}^{\alpha(b_m)}$という形が想定されていることは分かる。
表現(x)$_{1}$を左から右へ向かって走査し、$\all u$(論理式) となっているところはスルーしつつ、そうなっていない自由変項uをtに逐次書き換えて行っているのであろう事は分かる。

以下のように考えてみたのだが、これでいいのだろうか: \begin{array}{cl} (3.1) & \underline{今現在走査中たる}表現(x)_1が、\quad \all u \; 論理式y \; 表現z \quad となっていて、\\ & (この時は、y内の変項uは束縛変項だから置換の必要は無いのでスルー) \\ (3.2) & その表現z部分の自由変項uを項tで書き換えて得られた表現がrで、\\ & それを連接した \quad \all u \; 論理式y \; 表現r \quad が現時点での求める表現(x)_0 \\ (4.1) & 表現(x)_1が、\quad \all u \; 論理式y \; 表現z \quad とはなっておらず \\ & (\all v \; \cdots \quad でも \quad ~P \quad でも \quad P \supset Q \quad でもOK) \\ (4.2) & (x)_1を、\quad (x)_1の第1文字目 \; 表現y \quad と分解して見ると、\\ & ((4.1)~(4.3)は帰納的走査の部分であるから、(x)_1の2文字目以降の表現が存在していなければならない) \\ (4.3) & その第1文字目を置換したのがp、yを置換したのがrで、pとrを連接したのが(x)_0 \\ \hline (1) & 表現(x)_1は、変項u \; 1文字からなる記号列なので、置換したら(x)_0 \equ t \\ (2) & 表現(x)_1は、変項uではない1文字からなる表現であるが故に置換されず、つまり(x)_0 \equ (x)_1 \\ \end{array}

「(1),(2)で1文字からなる記号列(x)$_1$の置換を考える」という手口を採用しているからこそ、帰納的置換を行う核心部分である(4.2),(4.3)において、「現在走査中の表現の左端1文字 と それ以外」という分離を行っているのだろう。

読書中にピンときた言葉 第2弾

笠原敏彦、「ふしぎなイギリス」、講談社現代新書、40ページ

バッキンガム宮殿前の大通り「ザ・マル」。ここを進むウィリアム王子とキャサリン妃を載せたオープン馬車はまさに、シンデレラに登場する馬車を想起させた。ベアスキンの黒い帽子をかぶった近衛兵が乗る馬を前後に従えた姿も、童話の世界から抜け出したようだ。非日常の演出こそが、王室の魅力の源泉であることは疑いない。人間には生来、深層心理の部分でこうした壮麗さに魅かれるところがある。イギリス王室が現在も壮麗な行事や儀式を維持する理由は、その神秘性で民衆を惹きつけることにより、求心力を保つためである。このマインド・コントロールの手法は、共産主義のソ連や中国が巨大なモニュメントや建物を作り、その威厳によって人々を統治しようとしてきたことにも通じるものではないだろうか。

数学的帰納法の定理、最小値の定理、累積帰納法の定理 の同値性

数学的帰納法の定理
A(n)を自然数nを変数とする論理式とする。この時次が成り立つ: \begin{array}{l} A(0) \Rightarrow \left[ \forall n \left( A(n) \Rightarrow A(n+1) \right) \Rightarrow \forall n A(n) \right] \end{array}
これから直接次の定理が証明される。
最小値の定理
A(n)を自然数nを変数とする論理式とする。この時次が成り立つ: \begin{array}{l} \exists n A(n) \Rightarrow \exists n \left( A(n) \land \forall m \lt n \neg A(m) \right) \end{array}
証明
$B(n) :\equiv \forall m < n \neg A(m)$ と置く。
明らかに$B(0)$なので、数学的帰納法の定理より、$\forall n \left( B(n) \Rightarrow B(n+1) \right) \Rightarrow \forall n B(n)$。
\begin{array}{cl} & \forall n \left( B(n) \Rightarrow B(n+1) \right) \Rightarrow \forall n B(n) \\ \equiv & \neg \forall n B(n) \Rightarrow \neg \forall n \left( B(n) \Rightarrow B(n+1) \right) \\ \equiv & \neg \forall n \forall m \lt n \neg A(m) \Rightarrow \neg \forall n \left( \forall m \lt n \neg A(m) \Rightarrow \forall m \lt n+1 \neg A(m) \right) \\ \equiv & \exists n \exists m \lt n A(m) \Rightarrow \neg \forall n \left( \forall m \lt n \neg A(m) \Rightarrow \neg A(n) \right) \\ \equiv & \exists n A(n) \Rightarrow \exists n \left( \forall m \lt n \neg A(m) \land A(n) \right) \end{array} ここで、$\forall m \lt n \neg A(m) \Rightarrow \forall m \lt n+1 \neg A(m) \equiv \forall m \lt n \neg A(m) \Rightarrow \neg A(n)$と、
$\exists n \exists m \lt n A(m) \equiv \exists n A(n)$を使った。
累積帰納法の定理
A(n)を自然数nを変数とする論理式とする。この時次が成り立つ: \begin{array}{l} \forall n \left( \forall m \lt n A(m) \Rightarrow A(n) \right) \Rightarrow \forall n A(n) \end{array}
$B(n) :\equiv \neg A(n)$ と置く。
最小値の定理により、 \begin{array}{cl} & \exists n B(n) \Rightarrow \exists n \left( B(n) \land \forall m \lt n \neg B(m) \right) \\ \equiv & \neg \exists n \left( B(n) \land \forall m \lt n \neg B(m) \right) \Rightarrow \neg \exists n B(n)\\ \equiv & \forall n \left( \neg B(n) \lor \neg \forall m \lt n \neg B(m) \right) \Rightarrow \forall n \neg B(n) \\ \equiv & \forall n \left( \forall m \lt n A(m) \Rightarrow A(n) \right) \Rightarrow \forall n A(n) \end{array}
更に実は以上の3命題は同値でもある:
$A(n)$を自然数$n$を変数とする論理式とする。 この時、累積帰納法の定理から数学的帰納法の定理が示される。
\begin{array}{lcl} A(0) & \Rightarrow & \left( \forall m \lt 0 A(m) \Rightarrow A(0) \right) \\ \forall n \left( A(n) \Rightarrow A(n+1) \right) & \Rightarrow & \forall n \left( \forall m \lt n+1 A(m) \Rightarrow A(n+1) \right) \end{array} だから、 \begin{array}{cl} & A(0) \land \forall n \left( A(n) \Rightarrow A(n+1) \right) \Rightarrow \left( \forall m \lt 0 A(m) \Rightarrow A(0) \right) \land \forall n \left( \forall m \lt n+1 A(m) \Rightarrow A(n+1) \right) \\ \equiv & A(0) \land \forall n \left( A(n) \Rightarrow A(n+1) \right) \Rightarrow \forall n \left( \forall m \lt n A(m) \Rightarrow A(n) \right) \end{array} これと、累積帰納法の定理 \begin{array}{c} \forall n \left( \forall m \lt n A(m) \Rightarrow A(n) \right) \Rightarrow \forall n A(n) \end{array} より、 \begin{array}{c} A(0) \land \forall n \left( A(n) \Rightarrow A(n+1) \right) \Rightarrow \forall n A(n) \end{array}

論理式の一意性記号について

論理式の一意性記号について以下のように定義する:

\begin{align} \exists!xA(x) \equiv \exists x \left[ A(x) \land \forall y \left( A(y) \Rightarrow x = y \right) \right] \end{align}
この時、$(x,y)$が組として一意に存在する意味で$\exists!x \exists!y A(x,y)$を書くのは間違っている。 なぜなら前者は論理式で表記すると、 $$ \exists x, y \left[ A(x,y) \land \forall z, w \left( A(z,w) \Rightarrow x = z \land y = w \right) \right] $$ であって、後者は、$\exists!$の定義にしたがって展開すると、 \begin{array}{rcl} \exists!x \exists!y A(x,y) & \equiv & \exists x \left[ \exists! y A(x,y) \land \forall x\prime \left( \exists! y A(x\prime,y) \Rightarrow x = x\prime \right) \right] \\ & \equiv & \exists x \Bigl[ \exists y \left[ A(x,y) \land \forall y\prime \left( A(x,y\prime) \Rightarrow y = y\prime \right) \right] \land \\ && \forall x\prime \bigl[ \exists y\prime \left[ A(x\prime,y\prime) \land \forall y\prime\prime \left( A(x\prime,y\prime\prime) \Rightarrow y\prime = y\prime\prime \right) \right] \Rightarrow x = x\prime \bigr] \Bigr] \end{array} である。前者から後者は自明に導かれるが、その逆は成り立たない…と思う。

安井邦夫、「現代論理学」、現代思想社 の分からない所メモなどなど

41ページ

このBは無論、LPの公理にAを公理シェーマとして加えた公理系(これをTとする)において証明可能である ----★

であるが、Aをどういう形で公理シェーマに加えるのかが分からない。

Aというメタ論理式記号そのものを、(A⇒B)⇒Aと同列にそのまま公理に加えるのだろうか?
だとしたら、全ての論理式が証明可能になってしまい、後段の

したがって定理3により~BはLPで証明可能となり、TではBと~Bとが証明可能となる。

とわざわざ述べる必要性が無くなって、国語的に不自然。
だから、そうでは無くもうちょっと論理式Aの中身を表出させた形で公理に加えるのだと思う。個人的に思うに、q1,...,qkをメタ論理式記号A1,...,Akに置き換えたメタ論理式Aを公理に加えるのではないだろうか?
そうすると、★と国語的に整合性がとれると思う。


55ページ

Aを論理式、tを項、xkをtにおける任意の変項とする。
もしAにおいて変項xiのどの自由な現れも限量記号∀xkないしは∃xkの作用域の内にないなら、項tはAにおいてxiに対して自由である(free for xi in A)と言われる。

これは、私は次のように理解しています:

Aを論理式、tを項、xiを変項とする。

項tはAにおいてxiに対して自由である(free for xi in A) :⇔
任意の自然数nに対して、[xiがAにおける第nの自由な現れであるならば、その第nの自由な現れである変項xiは、tにおける任意の変項xkに対して、限量記号∀xkないしは∃xkの作用域の内にない]。

つまり、こういうことだ:
論理式Aという記号列を左から右へと見ていった時、変項xiが現れることが多々あるでしょう。その各々の変項xiは論理式Aにおいて自由な現れであることもあるだろうし、束縛された現れであることもあるでしょう。しかし、その多々現れうる変項xiの内、論理式Aにおいて自由な現れである変項xiだけに、そして、そういう変項xi全てに着目しましょう。ここで今、そういう変項xiを1つ任意に選んで着目します。この変項xiが限量記号∀xkないし∃xkの作用域内になければいい。ただし、変項xkは項tにおける任意の変項ですよ。


114ページ

2)の証明がよく分からないのですが、1)を利用するようですので、私はここまでは理解出来ました:

AはS∪Γの全てのモデルの下で真である
任意の解釈Ωに対して、[ ΩがS∪Γのモデル ⇒ Ω⊨A ]
任意の解釈Ωに対して、[ ΩがSのモデルかつ任意のC∈Γに対してΩ⊨C ⇒ Ω⊨A ]
Sの任意のモデルΩに対して、[ 任意のC∈Γに対してΩ⊨C ⇒ Ω⊨A ]
Sの任意のモデルΩに対して、[ 任意のC∈Γ、Ωの任意の点列σに対してΩ,σ⊨C ⇒ Ωの任意の点列σに対してΩ,σ⊨A ]
ここからどうやって
Sの任意のモデルΩ、Ωの任意の点列σに対して、[ 任意のC∈Γに対してΩ,σ⊨C ⇒ Ω,σ⊨A ]
への同値性に議論をつなげればいいのかが分かりません

英文和訳…ニュアンスの取り方

「Dialogue Vocabulary 1800 New Edition」459ページ

The best chance for a fair trial is still to have 12 honest and impartial people
公正な裁判を行うには、やっぱり12人の善良で偏見の無い人々が必要なの。

 

述語部分の意味を取るのは苦労しませんが、主語の意味を取るのは日本人にはちょっと難しい。

「公正な裁判のための最良の機会って何だろう?」となって詰まる。
座学だけではこういう英語表現からニュアンスを読み取る力はつけにくいなあと感じる。